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前へ 心配そうに遼子の顔を覗きこむ兄の瞳の奥に、理性の光が微かに見えた。 「いや!嫌だよ…!こんなことされたら、大好きなのに、お兄ちゃんが嫌いになっちゃうよ!」 洸至の微かに残された理性に遼子は訴えかけた。 「お願い、いつまでも大好きなお兄ちゃんのままでいて」 「くそ…でも離したくない…離せないんだ、お前のことが…俺はずっと…」 「お願いずっと好きでいさせて…」 「くそ…」 洸至が何かを振り切る様に歯を食いしばった。 「好きでいさせて…か」 洸至がゆっくりと遼子から躰を離す。 「でも…離したくない…今の俺にはこれがやっとだ…お前を守るには…これしかない」 そう言うと、洸至は頭を振りかぶり、遼子の頭上にある壁に突っ込むようにして頭をぶつけた。 鈍い音がして、洸至が遼子の上に崩れ落ちる。 「…え?お兄ちゃん…お兄ちゃん!!!!」 洸至が眼を醒ました時、部屋は暗かった。 少し身を起すだけでも、額がひどく痛んだ。手をあてると、そこには冷たいタオルが置かれていた。 タオル越しでも相当腫れているのがわかるくらいの大きなこぶができている。 部屋に遼子の姿はなかった。 自分が壁に頭を打ち付ける前遼子にしたことが蘇る。遼子の柔らかな躰を俺はきつく抱きしめた。 そして血の味のする口づけ―――。 洸至は頭を抱えた。 あんなことしたら、遼子が出て行って当然だ。兄としてしてはならぬことを…。 常日頃、夢の中でだけ許していた甘美な悪戯を、薬に酔っていたとはいえ遼子にしてしまった。 遼子を失ったあまりの寂しさに、腫れあがった額以上に洸至の胸は痛んだ。 「あ、お兄ちゃん起きたの?」 もう聞けないと思っていた妹の声だった。 洸至が振り返ると、洗面器をお盆に載せた遼子が部屋に入り口に立っていた。 「遼子…出て行ったかと思ったよ」 洸至の真剣な声色を遼子が笑顔で受け流した。 「お兄ちゃん、真面目な顔して何言ってるの?私が出ていく訳ないでしょ」 遼子が笑ってお盆を置いた。 「片山は」 「さっき帰したの。お兄ちゃんみたいに、眼を醒ました時にはいつのも片山さんに戻っていたから。 それから片山さん、鳴海さんにあんなことしてしまって、ってすごい勢いで謝っていたのよ。明日会ったら お兄ちゃんも許してあげて。元はと言えば私が調べていた薬のせいだし…」 遼子が洗面器の中のタオルを絞ると、洸至の額にあるタオルを取った。 「腫れてるね~。このこぶ、明日も目立つかもよ」 タオルの下のこぶをしげしげと見て遼子がそう言った。それから濡らしたタオルを洸至の額に当てる。 「ごめんな、遼子」 洸至はその後言葉をつなげなかった。 いつもは嘘をまき散らし真実を隠蔽し捻じ曲げる自分が、まるで無力だ。 遼子を押さえつけ抱きしめながら囁いた真実のせいで、この舌が嘘を紡がなくなっている。 「薬のせいよ。この薬のこと記事にしないと危険よね…」 遼子が眼を伏せ洗面器の中に入れたタオルをゆすぎながら言った。 「片山さんはあの時のこと、憶えているって言っていたけど…。ただ薬のせいで、眼の前にいた私が恋人みたいに 見えたって。お兄ちゃんもそう?あの時私のこと本当にそう思ったの?」 洸至の口の中がカラカラに渇いているせいで、舌がうまく動かない。 かろうじて洸至が出せた言葉は、呻くように言った「ああ」という一言だけだった。 その一言の中に、洸至の想いが詰まっていた。 あの時、本当に恋人だと思っていた。 いつもそうであればと願っていたように。 兄が、兄以上の思いを持って自分を見ていたと遼子に知られたのだろうか。それとも…。 洸至は、遼子の次の言葉を待っていた。 遼子が何を言うかで運命が決まる。ほんのわずかな時間だが、洸至には永遠にもひとしい時間に感じられた。 「ってことは、私が史郎ちゃんの前でこれを使えば…」 拒絶され嫌悪されることを予期して洸至の心は衝撃に備えていたが、別の方向からの衝撃が洸至を襲った。 「史郎…?前にお前を振った男か」 洸至がのろのろと遼子の方を見た。 遼子が顔を赤くして目を逸らした。 「べ、別にこの薬を悪用しようなんて考えてないんだからね。その、史郎ちゃん…遠山さんみたいに 理性的な人の前でこの薬を使ったらどうなるかなって思っただけであって、下心からじゃないからね! 記者としての純粋な探求心よ」 「待て遼子…俺がああなったのは」 「薬のせいでしょ?お兄ちゃんはあんなことする人じゃないもの」 遼子が首を傾げて洸至を見た。露とも疑いを抱かぬ、洸至を信じきった眼だった。 「…そうだな」 洸至の舌が、遼子の信頼に応えて再び嘘を紡ぎ始めた。 ―――もうすこしだけ兄妹でいよう。 安堵とほろ苦い諦めが洸至の胸の中に拡がっていく。 洸至の眼に、リビングのテーブルの上の例のサプリメントが止まった。 洸至はタオルが落ちるのも構わずに立ち上がると、そのサプリメントを手に取りトイレに向った。 兄の思惑に気付いた遼子の制止の声を無視して、瓶を開けると中の錠剤をトイレの中に捨てた。 「遼子、こういう薬を使って思いを遂げても空しいだけだぞ」 薬に幻惑された時に見た遼子は本当に美しかった。遼子の濡れた唇の感触、血の味の口づけ。 あの甘美な瞬間は俺だけのものだ。 「そんなぁ」 遠山なんかに味わわせてやるものか。俺はそれ程お人よしじゃない。 「本当に好きだったら正面から当たるんだな」 肩を落とす遼子を見ながら洸至は言うと、レバーをひねり全てを洗い流した。 エロなしごめんなさい。次こそは兄にいい思いをさせます。 不憫な兄が可愛くて、今回も不憫オチにしてしまいました。 あと連番間違いました(汗) 263が本誌美人記者兄妹による体験手記5です。 体験手記「お兄ちゃん編2」GJです。堪能しました。 グランバストで結局良い目を見たのは鷹藤君だけか?w 兄よ、遼子にも薬を飲ませれば、お互い合意の上で・・・げほげほ グランバストは鷹遼はキスだけでおわれるの? そんなことないよね、続き頼みます。 リクエストはだいだい書いてくれるよ書き手さんに感謝。
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321 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 22 55 53 ID eaJv/7cW 投下します。エロ少な目です。 【おしかけ弟子 前編】 相手の拳をかわした俺はがら空きになった相手の顎に正拳を叩き込む。 ゴガッ!! 骨が折れたような鈍い音がして目の前の男が膝を崩す。俺は構えをといてコーナーに戻る。 恐らくこれで決まりで、立ち上がってくることもないだろう。 「ワーン、ツー、スリー…」 審判がカウントを取っている。客席の連中の顔が見えるが、どちらに賭けている奴も興奮している。当たり前か。 「うがっ…ぐっ…」 相手は俺の予想に反して口の端から血を流しながら、カウント8で立ち上がり会場を大歓声が包んだ。 「よおカトー、今日も楽勝じゃねぇか」 試合後審判のロンが話しかけてくる。 「楽勝?一歩間違ってたら俺が負けてたさ」 「あんたいつもそれだな日本人のケンソンってやつかい?」 「…さあな」 とりあえず適当に生返事を返す。 「それにしてもあんたのカラテはスゲエよな。今日の相手だって結構表で名の売れたチャンプだったんだぜ?」 俺は空手家じゃないんだが、説明してもおそらくロンは分かってくれないだろう。 「まーこれからも頑張ってくれよお前と、チェンの二枚看板でここは持っているからな」 「ああ、ロンも酒はほどほどにしろよ」 そう言って俺は会場を後にした。 もうこの非合法の賭け格闘場で闘いはじめて1年半近くなる。 就活に失敗して親父とも喧嘩し、日本を飛び出して放浪した挙句結局この○国に落ち着いた。 とはいっても飢え死にしそうになって、酒場で喧嘩していた所をあのロンに誘われた訳なんだが。 「…結局親父に救われてるわけか」 あれだけ嫌だった稽古のおかげで今生きていられるのは皮肉なもんだ。 322 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 22 58 13 ID eaJv/7cW そんな事を考えながら住処へと足を運ぶ。日本の家に比べれば大した事ないかもしれんがここじゃ平均的だ。 「んっ…?」 ドアノブに触れると身体が強張る。鍵が開いている上にこの気配は誰かいるようだ。物盗りか? 十分に警戒しながらドアを開け、家の中に体を入れた。 「お帰りなさい師匠!」 「…はぁ?」 正直驚いた。玄関には男の子供がちょこんと土下座をしていたのだから。 「だ、誰だ?お前?」 「申し遅れました僕の名前はフォンといいます。師匠に弟子入りしたくてやってきました!」 「弟子入りだと?……なんで家の中にいんだよ」 「鍵が開いていましたのでだれか、不審な輩が入らぬように玄関で待ってました。…お気に触ったのならすいません」 俺はお前が不審な輩だろ…という言葉を飲み込んだ。試合前の自分のヌケサクぶりが恨めしい。 「おい、フォンとかいったな。顔を上げろよ」 「はい!」 土下座をしていた少年が顔を上げる。歳は12~13という所かまだあどけなさが残る顔立ちだが中々の美形といえるだろう。 身体の方に目をやると身長は低いし、体つきはギリギリ華奢ではないという所か。格闘技向きの体格とも思えんが。 「なんで…俺の所に来た?ムエタイでもやりゃあいいだろ」 「いえ僕は師匠の強さに憧れたんです。あの無駄のない動きと強烈な一撃!ムエタイなんか比べ物になりません!」 少年は目を輝かせてまくし立てる。よっぽど俺を買いかぶっているようだ。 「あのなぁ俺は単なる非合法の賭け試合のファイターだ。弟子なんか取る訳ないだろさっさと親のところに帰れ」 「いえ帰りません!それに僕には親なんかいないんです。なんでもしますからお願いします!」 本当かよ、それにしても目は真剣そのものだ。嘘ではないのだろう。 「ったく…なら一晩中俺が起きるまでそこで正座してろ、それが出来たら考えてやる。俺は寝るけどビデオカメラ置いておくからズルは出来ないぞ」 「本当ですか…僕、頑張ります!」 途端にパッと明るくなる少年の表情。こいつ本当に分かってんのか? 「はいはいそれじゃあ頑張ってね」 そう言って俺は奥に引っ込みビデオカメラを取り出しセットする。後はもうシャワーを浴びて寝るだけだ。 「お休みなさい師匠」 少年の挨拶を無視して俺はシャワー室に入った。朝まで8時間弱はある耐えられるはずがない。 朝日の眩しさで目を覚まし、時計に目をやる。やはりあれから8時間が過ぎていた。 どうせもう逃げ帰ったか正座を解いてしまっているだろう。そう思いながら玄関へと足を運ぶ。 「…やっぱりな」 案の定少年は仰向けになってすやすやと寝息を立てていた。元々が無理な注文だったのだから当然だ。 「しばらく寝かしといてやるか」 叩き起こして追い出すのも気が引けるのでベッドに寝かしてやる。起きてから帰らせれば良いだろう。 あれだけの熱意があれば俺なんぞより、いずれ良い指導者にめぐり合えるだろう。 そんな事を思いながら俺はセットしておいたカメラに目をやる。どれ何時間持ったのか見てやるか。 「……マジかよ」 俺はカメラの映像を見ながら自然と驚嘆の声を出していた。 モニター越しの少年は何時間たっても正座を崩していなかった。しかし楽勝という雰囲気ではなく半分を超えた頃から明らかに苦しそうな顔だ。 それでも歯を食いしばり脂汗を流しながら必死に耐えていたが、ついに限界が来たのか倒れこむ。時間は俺が起きる1時間前だった。 「バカかこいつは!」 自分で言い出しておいて勝手だが、呆れるほどの一途さだ。たかが俺に師事して貰うために膝や足を壊す気か? 323 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23 01 35 ID eaJv/7cW 「おい、おい起きろ」 寝ているの少年のふっくらとした頬をぺちぺちとやって起す。 「……あ、師匠…僕寝ちゃってたんですね。……すいませんこんな根性のない奴不合格ですよね」 と心から悲しそうな声と顔で言う。落ち度などあろう筈もないのに。 「そんな事より足、大丈夫か?」 「ええ、少し痛いけど大丈夫だと思います」 「そうか…良かった」 心から安堵している自分が少し可笑しい。 「飯……喰うか?腹減ってんだろ?」 「でも…」 「いいから喰えよ。弟子に飯ぐらい喰わせなきゃならんだろ」 言ってて恥ずかしくなるような台詞を吐いて顔が紅潮してるのがわかる。 「ええっ!?…本当なんですか?…嘘じゃないですよね……」 なんちゅう顔しやがる。喜色満面とはこの事だろう。 「嘘言ったってしょうがねぇだろ。その代わり家事とかお前もやれよ」 「ありがとう…ありがとうございます!」 俺の言い訳めいた言葉も耳に入っていないのか、目の前の少年は何時までも礼を言い続けた。 その日の晩俺は下半身への違和感で目を覚ました。 「ん…フォン?何をやっている?」 気が付くと床で寝ていたはずのフォンが俺のベッドに潜り込み、ちょうど股間の位置に顔を埋めている。舐めているのだ俺自身を。 「あっ師匠」 ペニスから口を離し答えるフォン。 「あっ師匠じゃねぇ。何やってんだよ」 「……師匠にご奉仕しようかと」 なにがご奉仕だ…が完全に勃起している分身を見ると説得力がない。 「冗談はよせよ」 「冗談なんかじゃないです…なんでもするって言ったじゃないですか…」 そう言って俺のものを舐め上げ始める。裏スジから尿道にいたるまで、男の喜ぶ“ツボ”を理解した舐め方だ。 巧い。俺だって経験がないわけじゃないからわかる。この舌づかいはそれで喰っていたもののそれだ。 「く…よせっ…ああっ」 俺のチンポからはガマン汁が溢れて、フォンの唾液と混ざりてらてらと光沢になる。 「師匠…僕頑張りますから」 「頑張るってお前…ううっあ」 今度は小さい口で懸命に亀頭を咥えると、含みきれないくせに唇と舌の同時攻撃を仕掛け、俺の体を快感が支配する。こいつ一体…。 「ひひょうでひて、でひてくだひゃい」 正直頭の中は疑問で一杯だったが、限界だった。俺はフォンの口内に精を吐き出すしかなかった。 「師匠溜まってらしたんですね」 「……うるせぇバカガキ」 吐き出すかと思ったがフォンは巧く精液を受け止め、余すとこなく飲み込んでしまった。やっぱりプロとしか思えない。 「フォン…お前のここに来る前何をしてたんだ?」 「へ…?」 小さい体がビクンと揺れる。どうやら聞かれたくないことのようだ。 「言いたくない事なら言わなくていいけどな」 「……言ったら師匠は僕のこと嫌いになりませんか?」 「知り合ったばかりで嫌いもクソもあるかよ」 「…分かりました……師匠のお考えどおり、僕は体を売っていました」 フォンは粛々と話し始めた。 324 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23 03 38 ID eaJv/7cW お父さんもお母さんも僕が物心付いた時にはいなかった。でも僕はお兄ちゃんがいたから寂しいなんて思ったことはなかった。 「フォン飯足りるか?」 「熱があるじゃないか!」 「フォン寒くないか?寒いなら兄ちゃんの布団を着ろ」 お兄ちゃんは優しかった。いっつも僕のことばかり気にしている。僕はそんなお兄ちゃんが大好きだった。 でもお兄ちゃんは無理をしていたんだ。あの年でキツイ肉体労働ばかりしていたんだから当然だ。しかも僕を食べさせる為に。 「お兄ちゃん…少しお仕事減らしてよ!僕も働くからさ」 9歳ぐらいの時にそう言った事がある。毎日どろどろになって帰ってくるお兄ちゃんだけに働かせるのはもういやだった。 「なーに生意気言ってんだ。お前みたいなチビ何処も雇ってくんねーよ」 そう言っても笑いながら頭をゴシゴシと撫でてくれたけど、僕は心配だったいつかお兄ちゃん壊れてしまうんじゃないかって…。 その心配は当たった。ある日お兄ちゃんは顔を真っ青にして帰ってきたんだ。 「お兄ちゃん大丈夫!?」 「だ…大丈夫さ…心配す……」 そう言い掛けてお兄ちゃんは倒れた。病名は思い出せないけど、酷い病気だった。 お医者さんの所になんとか連れて行ったけど、告げられたのは命にかかわるという事と治療には僕にとって莫大にお金が必要という事。 それを聞いたら目の前が真っ白になった気がして、お兄ちゃんが死んじゃうと思うと膝が震えて涙が止まらなかった。 けれど何もしないわけにはいかないから、僕はあるお店に頼み込んで僕自身を売った。ご主人は「ウチの最年少だ」って笑ってたっけ。 初めての時は体がバラバラになるかと思った。お客さんは気を使ってくれたけど、お尻が持つわけがなくて色々な所から血が溢れた。 「処女みたいだね」 なんてお客さんの言葉も耳に入らないくらい、僕は泣きじゃくるしかない。お客さんはそんな僕を見て益々興奮する。 初仕事の後もまだ体の中に、何かが入っている感覚が続いて眠れなかったのを良く憶えている。それからもお客さんをとる度に、槍で串刺しにされてるような苦痛を味わった。 でもそんな痛みも病院で、苦しんでいるお兄ちゃんを想像したら耐える事ができた。その内言いたくもない卑猥な言葉やおねだりも自然と言葉になる。 「おじさんのおチンポ…気持ち良いよぅ……もっとちょうだぁい…」 「よしよし…もっと苛めてあげるからね」 「とっても似合うねその服」 「女の子の格好すると、おちんちん硬くなっちゃうよぉ…」 「縛られると君はもっと可愛いね」 「もっと縛ってお仕置きしてくださぃ…」 思い出すだけで胸が苦しくなる。決して消えることはない肉人形だった日々。 それでもそうやって、僕がお兄ちゃんの命を繋げられていることが嬉しかった。ようやくお兄ちゃんに恩返しできていたんだ。あの日までは。 「フォン……ごめんな兄ちゃんもう…」 「いやだぁ!お兄ちゃん死なないでぇ!僕を一人にしないでよぉ!!」 突然病院から呼び出されて、駆けつけると一時間もせずお兄ちゃんは逝ってしまった。 なんであんなに良い人が死んじゃうの?お店に来る様な人たちは長生きするのに?そんな考えばかりが頭に浮んでいた。 そしてとうとう僕は一人になった。残ったのはお店への借金だけ。お兄ちゃんが死んだ日も帰りに、お客さんを取らされた。あの日はおしっこを飲んだっけ。 でももうどうでもよかった。毎日お尻を犯されていつか病気にかかって死ねば良い。お兄ちゃんもいない世界に未練もなくなっていたから。 そんな絶望し続けていたある日僕はお客さんから、格闘技の賭け試合の事を知らされてお供した。僕はまるで興味がなかったけど。 「死ねぇーぶっ殺せー!」 「立て!立たなきゃ俺はオシマイだ!!」 そんな叫びが響く会場は選手とお金を賭けている人たちの熱気に包まれている。 僕はたまたま手元にあったお金と、お客さんからのお小遣いが手元にあったから誰かに賭けようとしていた。 でもその時は格闘技の知識なんてなかったから決められず、ウロウロしていると今日がデビュー戦だって人が入ってくる。 「カトーウタカーシ!!」 そんな名前がコールされて、日本人だと分かったがオッズは相手が有利だった。だってデビュー戦の上に体格が全然違ったんだもの。 一緒に来たお客さんも「アイツは止めときな」って言っていた。 でも僕はその日本人の選手が気になって仕方がなかった。だってその人はお兄ちゃんそっくりだったんだもん。 そして気が付くと僕は手元の金を全部その人にベットしていたんだ。 325 :名無しさん@ピンキー 2010/05/14(金) 23 06 47 ID eaJv/7cW フォンの話に俺は聞き入っていた。その境遇は日本で生きてきた俺にはうかがい知れる物ではない。 「…そしたら師匠は見事に相手を倒してくれて、僕はそのお金で自由になれたんです。……あの時の師匠は僕にとって神様に見えました」 「……そんな事があったのか。でも自由になったのになんで俺の所に?」 「自由にはなれたけど僕はそれから、どうすれば良いのか分からなかったんです。だからこの1年半は目標もない日々でした。」 「それで俺の弟子か」 「…はい。師匠みたいになりたいなって思って……」 デビュー戦のことなど憶えていないが、こいつにとっては俺が世界最強の男に見えたのだろう。無理もない。 「でも僕ってバカですね…お兄ちゃんとか師匠に依存しないと、まともに生きられないんだから……」 そう言うフォンの目には涙が溜まっている。俺はなんと言葉をかけたら良いのか分からない。 しかしこの年で誰かに依存してない子供などいるものか。兄に似た格闘家に弟子入りしたくなる気持ちも理解できる。 「師匠…こんな僕ですけど嫌わないで下さい……」 「フォン」 できるだけ優しく声をかけたつもりだが。 「は、はい」 「明日からしごくぞ。覚悟しておけ」 「は……はい!お願いします!!」 (弟子か…悪くないかもな) そう思いながら笑顔で喜ぶ少年を見て、俺も釣られて笑った。
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少年(城之内の対戦相手) 僕のターン、ドロー。逃さないよ、お兄ちゃん。マジックカード、『守備』封じだ。 『守備』封じの効果で、東方の英雄は攻撃表示に変わるよ。 メタル・ドラゴンで、東方の英雄を攻撃! リバースカードを1枚伏せて、ターンエンド。教えてあげるよお兄ちゃん、そういうのを風前の灯火って言うんだ。 もう諦めなよ、お兄ちゃん。どうやったってこれから逆転なんかありっこないんだからさ。 うん。 何やってんの? 突風の扇っていうのは、自分のモンスターの攻撃力を上げる為の装備魔法だよ? それを、僕のメタル・ドラゴンに装備して、攻撃力をわざわざ上げるなんて、それ自殺行為じゃない? 真面目にやってよぉ! えっ! そ、そんなコンボがあったなんて…… あのね、お兄ちゃんが右手に盾を左手に剣をを発動する直前に、僕のトラップが発動したんだよ。 城壁の効果で、発動ターンのみ、メタル・ドラゴンの守備力は500アップ。 そう。炎の剣士の攻撃力1600に対し、メタル・ドラゴンの攻撃力は2000。 やったあ! うん。ありがとう、お兄ちゃん。 あんな常識やぶりなコンボ、普通だったら思いつかないよ。すっごいね、お兄ちゃん! レベルが低いなんて言って、ごめん。 今度また、デュエルしてくれる? 審判 デュエル終了!
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313 :紳士 ◆wzYAo8XQT. [sage] :2008/11/30(日) 02 11 01 ID dl4DyePw 「お兄ちゃん!? 一体何やってるの!」 俺は慌てて振り向く。そこには俺の部屋の戸を開けて唖然としている妹がいた。 や、やっちまった。どう言い訳したらいいんだ。 何せ俺の格好は全裸。しかも黒ニーソだけを穿いている。白と黒の狭間で揺れ動いたが、やはりニーソといったら黒だと思うんだ、俺は。 と、そんな俺のニーソ論はどうでもいい。今すべきことはどうやってこの状況を誤魔化すか、だ。 何で俺がこんな怪奇な格好をしてるかといえば、「春……よくその目に焼き付けておきなさい、これが紳士の正装だ」と死んだ父さんが夢枕に立って――全裸にネクタイという珍奇な姿で――言ったからだ父さんの傍らには、死んだ母さんが微笑んで立っていた。 二人とも、とても幸せそうだった。 「父さん! でも俺はまだ社会人じゃないんだ! ネクタイなんて持っていない」 俺は、咄嗟に父さんにそう呼びかけた。すると父さんは、 「ならばネクタイではなく靴下を穿きなさい。それが、若き紳士の嗜みというものだ。お前がニーソックスを穿きこなせたとき、初めてお前は一人前となるだろう」 そう言い残し、父さんは母さんとともに去っていった。俺は、起きてからさめざめと泣いた。そして決めたのだ。紳士を目指すと。 その矢先にこの悲劇である。さすが一人前の証、ニーソックス。いきなり俺みたいな若輩者が穿きこなすには無理あったのか。 「も、萌、違うんだ、これには訳が」 死んだ父さんと母さんが夢枕に立ってこの格好を推奨したんだ! ……言えない。言えるわけが無い。そもそも言っても信じるわけが無い。俺だって、他人がそんなことを言っても信じない。というか間違いなく黄色い救急車を呼んで縁を切る。 しかし実際に体験した身としては、こうせずにはいられなかったのだ。まるで、父母の遺志をないがしろにするような惨苦に思えたのだ。 「お兄ちゃん、その靴下……」 妹はただ呆然と、俺の穿いているニーソを指差す。 そうだ。この靴下は萌のものだ。当たり前だろう、変態でもない普通の男が黒ニーソなぞ持っているはずもない。ならば当然買うか借りるかしなければならないわけだ。 幸い、俺には妹という存在がいた。よって彼女の箪笥からちょっと拝借した次第である。大体お兄ちゃんはな、萌には白ニーソのほうが似合うと思うぞ。ロリロリで。 しかしその選択が裏目に出たようだ。それもそうだ。兄の部屋に行ったら兄は全裸で黒いニーソックスだけを身に着けていた。これだけでアウトだ。 しかもそのニーソックスが自分のものであった。もうアウトを通り越してゲームセットだ。通報だ。『妖怪ニーソ穿き』として妖怪図鑑に登録される日も近い。 妖怪ニーソ穿きはその名のとおり、ニーソックスを勝手に穿く妖怪である。普段は全裸だが、戦利品のニーソックスを身につけている場合もあるという。 ……断固駆除されるべきである。この地球上に到底生かしておいて良い存在ではない。人類の敵である。 ああしかし私は気づいてしまった。鏡に映る自分の姿がその忌むべき妖怪そのものであることに。ああなんということだろう。嗚呼何たる悲劇。 死すべきだ。死すべきである。しかし悲しきかな、自身の妖怪ニーソ穿きという存在としての実存がそうさせてはくれぬ。それどころか、ニーソを盗み、それを穿くという自らが最も汚らわしく思っていた行為を実行せしめよと己の実存が責め立てるのだ。 穿いてはいけない。穿いてはいけない。穿いてはいけない。 だがしかし。ああ、どうしてこの責めに抗えようか。私がかくも弱く愚かであることは罪なるかな。人よ、かくも弱きその存在を憐れみ給え。神よ、かくも愚かしき我を憐れみ給え。 しかし人は私を憐れんでなどくれはしないだろう。私が、そうであったように。神は、人から堕ちた私を哀れみなどしないのだろう。悪魔によって堕落せしめられた幾千幾万の人のように、その焔で私の身を焼き尽くすのでしょう。 私は頭を抱えて部屋の隅でガタガタを震える。もう外にも出れない。どこにもいけない。出てはいけない。狂ってもいけない。 私が気を失い、次に意識を取り戻すとき。それは私がニーソを盗み、穿いたそのときの他ならないのだから。 ああ。嗚呼。 どうして私。どうして私なのだ! どうして私が、私がこのようなおぞましきけだものに身を窶せばならぬのだ! もはや私の悲哀を聞くものはなく、もはや私の慟哭を止めるものはない。 私に許されたことは、ただ震えることのみなのだから。 そうして、私は耐えねばならない。狂わぬように。狂いませんように。 そうして、私は待たねばならない。ただ、ただ終わりを。すべての、終わりを。ただ一人で。永遠に。 314 :紳士 ◆wzYAo8XQT. [sage] :2008/11/30(日) 02 12 15 ID dl4DyePw 「お兄ちゃん! どうしてそんなことしたの!」 妹の叫び声で俺は我に返った。現実逃避のあまり、妖怪にに身を堕とした一人の聖人の夢を見ていたようだ。恐ろしい夢だった。泣けてくる。 「……まだ萌には分からぬか。しかし我が妹よ、いつかきっと知るときがくるだろう。人が、なぜニーソを穿くかを」 妹はまったく反応を示さずこちらを見ている。ちょっとかっこよく言ってみてもダメか。まあ当たり前だろうけど。 「……………………のに」 妹は俯いて拳を震わせている。 「へ?」 「お兄ちゃんが欲しいっていうなら、そんな靴下じゃなくて私のすべてをあげるのに!」 ええっと、その話はどっから来たんだ? 妹。 「いつでも、お兄ちゃんのものになる準備は出来てたのに!」 妹はそういうと、俺に向かって飛び掛ってきた。 対する俺は一切の防衛の術を持たない。全裸とはかくも無防備なものなのか。それなのに、父さんはああも泰然とたたずんでいた。父さん、あなたの背中は俺にはまだ遠すぎます。 俺はそのまま妹にのしかかられ、組み倒された。妹は鼻息も荒く、ニーソックスには目もくれず、俺の胸部に嬉々として頬を擦り付けている。 「も、萌、一体どうしたんだ!」 俺の惨状を見て精神が崩壊したにしては、少々方向がおかしい。まるで主人に飛び掛る犬のような様子だ。 「萌がお兄ちゃんのものになるんだったら、お兄ちゃんも萌のものだよね。萌だけのものだよね。萌以外の誰のものでもないよね。 だから、お兄ちゃんは今日から萌の所有物なの。持ち主は所有物には何をしてもいいの。その代わり、お兄ちゃんも萌に何をしてもいいからね。唇も、胸も、アソコも、ぜーんぶお兄ちゃんのものだからね」 「な、何って!」 「ナニ?」 妹はそういいながら俺の股間の紳士に手を伸ばす。だ、ダメです! そんなばっちいのに触っちゃいけません! 何時までも無垢な少女のままでいて! 「汚いのなら、なめなめして綺麗にしないとね」 妹の赤い舌が、口の端からチロリと覗く。 「萌! 俺達は兄妹なんだぞ! 兄妹でこんなこと、許されるわけ……」 「許される? 一体誰が萌とお兄ちゃんを邪魔するの? お兄ちゃんを許してあげられるのは萌だけなんだよ?」 「神様とか、世間体とか、死んだ父さんと母さんとか……」 「そんな神様殺してあげる。そんな人間皆殺しにしてあげる。……それに、お兄ちゃん知らなかったの? お父さんとお母さん、兄妹だったんだよ?」 妹の狂気より、最後の一言に驚かされた。 「な、ななななな」 「な?」 「な! そんなバカな!」 「本当のことだよ。お母さんが教えてくれたもん。『男なんて、いざとなるとてんで駄目なものよ。女のほうから導いてあげないと、ね』って」 か、かかかかか母さん! あんたって人は! 俺の美しい思い出を返せ! 「お兄ちゃん、そんなに靴下が好きなら、靴下で踏み踏みしてあげる」 萌はそう言うと、そのまま白のニーソに包まれた足を俺の紳士の上におろした。 そのまま、両足でこねるように俺の紳士を刺激する。玉を軽く踏んだかと思えばもう片足を先端に走らせ。棒を両足で挟んだかと思えばそのまましごきあげ。執拗な責めに、俺の紳士もだんだん背伸びを始める。 「な、何するんだ萌! い……今すぐこんなことやめなさい!」 「うふふ、妹の靴下穿いて、妹の足で踏まれて興奮するような変態さんは、妹の足でも舐めてなさい」 そのまま俺の口に萌の足が押し込まれた。妹の足の香りと、俺のかすかな先走り紳士の味が俺の口いっぱいに広がる。 足なんて口に入れられたら激怒しそうなものなのに……萌の足の味が、俺にそうさせなかった。 いつの間にか、俺は自分の意思で妹の足をしゃぶっていた。 「くすぐったいよ、お兄ちゃん。どう、萌の足、おいしい?」 俺は妹の足をしゃぶるのに必死で、その嬌声に答えることもできない。妹は、嬉しそうに続けた。 「うふふ、お兄ちゃんはヘンタイさんだね。でも、ヘンタイさんだけどぉ……お兄ちゃんだから、だーい好き! ……もう、死んでも離さないんだから」 俺は、今では立派にネクタイをつけている。
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【上田明也の協奏曲22~それはそれは可愛らしい~】 「お兄ちゃん!」 「はっはっは、待て待て妹よ~!」 前略、お父様お母様。 何か解らないけど妹が出来ました。 正体不明なので困っているのですが可愛いので良しとしたいと思います。 ―――――――さて、事の発端は三十分ほど前にさかのぼる。 俺は遊園地で迷子になっていた。 正確に言うと迷子を捜していたせいで仲間達とはぐれてしまっていた。 だから俺は悪くない、二手に分かれて探そうとしたのも決して失敗ではなかった。 そう、そして困った俺が辺りを歩き回っていると額から血を流した女の子が寝ているのを発見したのだ。 俺は迷うことなく少女に声をかけた。 でまあ今に至る。 「ところで純ちゃん。」 「純で良いよお兄ちゃん!」 うわっ、可愛い。 なんだこの可愛い生き物は! そんな純粋そうな瞳でこっちを見ないでくれ! 俺は汚れた大人なんだ! 「一人で遊園地に来てお父さんとかお母さんは心配してないの?」 「お母さんには友達と遊園地に行くって言っているから大丈夫だよ! お父さんはそもそも単身赴任中だからカンケ―無いし。」 「そうか……。」 ふむ、一人で遊園地に来て気絶していた少女。 しかも、“何故か契約前の俺の存在”を覚えている。 すなわち彼女も契約者なのだろう。 ならば聞くことは一つ。 「あと純ちゃん、君が契約している都市伝説の名前を教えてくれないか?」 「えっ……?」 何故自分が契約者だと解ったのか不思議でしょうがないようだ。 まあ「他人の持つ自分の記憶」というハーメルンの笛吹きの契約コストが特殊すぎるだけではあるが。 「『兄妹の間で隠し事は無し』だと思うんだけどどうかな?」 「…………はい、私の私の都市伝説は『丑の刻参り』です。」 「なるほど、どんな能力?」 「えっと、対象に釘を当てることで運を奪います。」 「奪った運は自分の物として使えるの?」 「……はい。」 「よし、良い子だ。えらいえらい。このことはお兄ちゃんと純の間の秘密だよ。」 「えへへ……。」 頭を撫でると顔をほころばせる。 この様子だとどうやら今までの人生で寂しい思いをしてきたらしい。 丑の刻参りなんて都市伝説が寄りつく人間だ。 それも当然と言えば当然か。 「それじゃあお礼にお兄ちゃんの契約する都市伝説も教えてあげよう。 お兄ちゃんの持つ都市伝説は『ハーメルンの笛吹き』だ。能力は童話の通り。 これも秘密、良いね?」 純は黙って頷く。 「ねえ、お兄ちゃんって前ニュースでやってた殺人事件の……?」 「ああ、そうだよ。俺がその事件の犯人だ。これも秘密、できるね? もしその秘密を大事な妹である純にばらされたらお兄ちゃんは生きていけないんだ。 い い よ ね ?」 純は俺の真意を測りかねているように眼をぱちくりさせている。 「そんなこと私に私に言って良いの?」 「ああ、だって“隠し事は無し”だろ?」 「あうぅ……、でも私は私はまだお兄ちゃんと会って少ししか経って…………」 「時間は関係ない、俺は純を信用できる人間だと判断した。 他ならぬ俺が信じる人間だから信じる。単純明快。」 「私を私を信じてくれるの?なんでそんなに心を許してくれるの?」 「逆に聞こう、“妹を信じない兄”が居るかい?」 「お兄ちゃん…………!」 純は思い切り俺に抱きついてくる。危険は無いと判断して良いだろう。 さて、しめっぽい話とか腹の探り合いはここでお終い。 俺は携帯を取り出すと明日に連絡をかけた。 「おいアキラ、橙つれて先に帰っててくれ。」 「は、何言っているの!?」 「ちょっと用事ができた、帰るの朝になるかもね。」 「ちょ、待て!お前迷子になった上に何処で何を…………」 プチッ 通話終了。 さて、面白いことになりそうだ。 「ところで純、何か乗りたい物は有るか?」 「んー、観覧車!」 「ははっ、良いだろう。お兄ちゃんに任せておけ!」 俺たちはひとまず観覧車に乗り込むことにした。 色々犯罪の香りがする図式の筈なのだが、係員は俺たち二人に何の反応も見せない。 ……おかしい。 先ほど、気絶していた彼女に誰も気付かなかったことと言い、今の出来事と言い、 色々と不自然だ。 まるで自分が映画のモブキャラか何かになったように感じる。 いやそもそもだ、彼女と手をつないでから誰の視線も感じられないのだ。 これはどういうことだ? 彼女は俺に対して攻撃する気も何も無いことはハッキリ解っている。 俺はすでに彼女の心を把握している。 だとすれば、彼女自身がそういう体質なのか? 俺の心を読んだりする特技と同じ性質の物なのか? あとでサンジェルマンに聞いてみるとしよう。 まずは彼女自身から情報を引き出すのが先だ。 「そういえば純って昔から変わっているとか言われたりしない?」 「へ?なんで?」 「いや、お兄ちゃんもそうだったからなあ。一生懸命隠してたけど。」 「うーん、……そういえば。」 何か思い当たる節が有るらしい。 「よいしょ、……と。」 何故か膝の上に乗られた。 観覧車の外の風景を見ながら純は語り始める。 「そういえば、だけど。 私は私は昔から目立たない子供だったの、異常なくらい目立たなかった。 仲良く遊んでいた友達も学校を卒業したら私を忘れていたし、 先生に名前を覚えて貰うのも一番最後だった。 ああ、あとお片付けが早くて良く褒められたっけ。 まあ終わったことにすら気付かれないことの方が多かったけど。」 「ふぅん……。」 「だからお兄ちゃんが私を私を覚えているって言ってくれた時はすごく嬉しかったんだよ。」 「ああ、そりゃあだって……」 可愛い女の子は一度見たら絶対忘れないぜ! 「純みたいな可愛い子は一度見たら絶対忘れないぜ!」 兄弟の間で隠し事は無しなので思い切って言ってみた。 恥ずかしかったらしく胸をポカポカ叩かれた。 なるほど、彼女には収納・隠蔽の才能が有るらしい。 それにしてもだ、“しまって隠す”才能なんてあってもしょうがなさすぎる。 制御しきれてないなら尚のことだ。 人生というのは矢張り人前で輝いてこそ楽しいものじゃないか。 彼女は相当孤独な人生を送ってきたのだろう。 そしてその結果が、自分を見続けてくれる人を求める性格の歪み。 更に言えば人とふれあえない事による精神の成長拒否。 幼すぎる容姿も精神が肉体に影響を与えているのかも知れない。 まあそんなこと気にする他人など今まで彼女の周りには居なかったのだろうが。 「ところで純は何処の高校に通っているんだ?」 「中央高校だよ。」 「ほう、ということは向坂や明日が居るのか。」 明日と聞いた瞬間に一瞬緊張する。 あいつみたいな正義の味方は彼女のような異常者を排除したがるに違いない。 恐らく彼女も彼のことが苦手なのだろう。 「向坂って知っているか?」 「え、あ……、友達。」 セカイって狭いな……。 「そうか友達か……、あいつ俺の所で助手やってるんだよね。 そうだ、純。お前も探偵事務所の助手やらない?」 「良いよ!」 「お兄ちゃん返事の良い子は大好きだぜぇ。」 「わぁい!」 とりあえずまた頭を撫でる。 何だろう、この娘すごく子犬に似ている気がする。 「お兄ちゃんって向坂ちゃんと仲良いの?」 「ん?まあ事務所手伝って貰ってるし仲良いけど……。」 「ちょっと焼き餅焼いちゃうなあ……」 「何言っているんだ?俺の妹は純だけだぜ?純は特別だよ。」 「ホント?」 「ああ、勿論だ。嘘は吐かない。」 というか、多分あまり意味ない。 彼女の隠す才能が俺に意味をなさなかったように、俺の言語による操作能力も彼女には大して意味を持たない。 まあまったく効かないってことはあり得ないが使用は控えておこう。 「で、次何処に行くよ?」 「うーん、その前にね。ちょっとついてきて欲しいな。」 俺たちは観覧車から降りると休憩がてら飲み物を飲んでいた。 何故か人気の少ない方に少ない方に走り出す純。 最近の子は進んでいると言うがまさかまさかなのだろうか? 流石にそこまで展開が早い子はお兄ちゃんとしてきっちりしからなくてはいけない。 まあお兄ちゃんが好きすぎてもうこの場で思いをぶちまけたいってのは解らないでもないが……、 でもやっぱり兄としてはもうちょっと丁寧に相手のことを見定めて…… 「ここなら良いかな?」 うわっ、まさか本当にそうなのか? 辺りには人っ子一人居ない。 こんな小さくて可愛い女の子と誰もいないところで二人っきりなんて興奮してくるじゃないか。 落ち着け俺、まずはこの猛り狂う己の情欲に打ち克って……! 「ヤァッ!」 俺の妄想ゲージが振り切れるその絶妙なタイミングで、拝戸純は俺に向けて釘を投げた。 否、俺の後ろに向けて釘を投げた。 ドゴォン! 釘が掠ったとおぼしき街路樹が大きな音と共に倒れる。 どうやら彼女の投げる釘には物理的な威力も有るらしい。 「其処にいるのは誰?」 純は俺の影に隠れたまま、街路樹の影をジッと見つめる。 「うわあ……ばれた、か。」 「貴方は貴方はだぁれかな?お兄ちゃんと私の大切な時間を邪魔しないで。」 「いや俺はただそこの笛吹って人に興味が有っただけで……。」 「……明日の知り合いか?」 「その通り、俺の名前は坂本、中央高校の風紀委員長。」 「ふむ、となると明日の上司みたいなもんか。」 「その通りだよ、笛吹ヒノトさん。」 一歩ずつ俺に近寄る坂本。 彼の足下に大量の釘が突き立てられる。 「お兄ちゃん、こいつ怪しい!」 「えっと、二年C組拝戸純か。こんな危ない奴だとは知らなかったぜ。 俺はお兄ちゃんとやらに興味があるだけだ。 君がここで何をしていようと俺の知るところじゃないよ。」 「ふむ、我が妹に向けて危ない奴発言か。良い根性してるじゃないか。」 とりあえず、この坂本という男が俺の敵だということは認識した。 「坂本とやら、なんで俺に興味を持った?」 「家の親父が警察関係者なんで。」 「嘘だな。明日から俺の話を聞いただけだろ。」 「はい、そうです。あいつの話を聞く限りでは貴方が危険に見えてしょうがない。」 「俺はもう殺人鬼は廃業したんだ。」 「でも、貴方の行動はそれ自体が人々を危険にさらす。 だって見知らぬ他人のことなんて何一つ考えないんだから。 明日真の居たクラブで起きた殺人事件もそうだ。 貴方には、生存者を救うことが可能だった筈だ。 この場合できなかったんじゃなく、やらなかったことが問題なんだ。」 「しーらね。」 「……人の命が転がっていたら、救おうとは思わないのか?」 「俺が助けたいと思ったら助ける。逆もまたしかりだよ。」 「そうですか。矢張り度し難い人だな。人は誰しも誰かを見殺しにして生きているけど、 それを自覚的にやる人間ってのは出来る人間ってのは異常じゃないか。 そういうものが、俺たちみたいな普通の人間には怖い。 自分がとてつもなく卑小な、最低な生き物のような気がしてくる。」 「だったらどうする?人々の心の安寧の為に俺を亡き者にするかい?」 「いいや、それは無理だ。あんたが小悪党ならそれも考えたけど……」 ダッ! 坂本とやらは思い切り逃げ出した。 「あんたみたいなのは全力で警戒してできるだけ関わり合いにならないのが最善だ!じゃあな!」 「でもでも貴方は逃がさないんだからっ!」 ドスンドスンドスン! 五寸釘が何本も坂本の背に突き刺さる。 だが血は流れていない。妙な能力だ。 「お兄ちゃん、これであいつは逃げられないよ!」 「運を奪うだっけか? 確かに面白おかしい能力だけれど……。」 坂本の背には確かに五寸釘が刺さっていた。 都市伝説は発動しているのだろう。 だが、坂本が不運になっている様子はまったく無かった。 「えええぇぇえ!?なんでなんで!?」 「じゃあなお二人さん!」 「ふむ、都市伝説が効いていないのか?」 俺はハーメルンの笛吹きの能力を使って坂本の動きを止めることを試みた。 すると、まるで軍隊か何かのように坂本の身体が見事に気をつけの姿勢になった。 都市伝説が効かない訳じゃないらしい。 「なるほど、都市伝説が効かない訳じゃないのね。 となると……運勢か。 運を奪われても普通に動けるレベルの幸運の持ち主ってところかな? どうなのよ、坂本君、人が来る前に素直に話してくれると嬉しいな。」 「……確かに俺は運が良いよ。 今の騒ぎでもうすぐ人も来るだろうしね。」 「まったくだ、俺から逃げ切るだなんて中々面白いじゃないか。 良いぜ、その命はくれてやる。」 「高校生相手でも殺る気だったの……?」 「勿論!」 それ以外の選択肢が有っただろうか?いや、無い。 「お兄ちゃん駄目だよ!こいつはここで確実に……。」 「うんにゃ、もうダメだ。南から二人、西から三人。 この騒ぎを聞きつけて近づいてきている奴が居る。 ここに来るのも時間の問題だよ。 ここから離れよう、純。」 内一名は都市伝説契約者。 移動速度からして明日姉か? 何故俺を捜しているのか解らないがまあ逃げておくに越したことない。 ハーメルンの笛吹きとの契約で身についた探知能力が役に立ったようだ。 俺達は動けない坂本の額に肉と油性ペンで書いてからそそくさとその場を後にした。 「さて、これから何処に行く?時間もアレだし時間が許すなら夕食でも……」 「あいつ殺す、絶対殺す、そもそも丑の刻参りが効かないってどんな能力なの? 毎日毎日少しずつ撃ち込んでいけば呪いだってきっとかかる筈だもの。 明日もそうよ、お兄ちゃんの知り合いのくせにお兄ちゃんの名前をあんな奴に教えるなんて。 私が私があいつら二人とも完膚無きまでに殺して殺して殺し尽くしてやる。 私のチカラだったらそれくらい造作もないことだもの。」 「純、女の子がそんな言葉使っちゃいけないよ。 純はあんな奴気にする必要は無い。 あいつは俺に用があるんだ。 あいつが純に何かちょっかいをかけてきた時はお兄ちゃんが出るから、 だから、“純はあいつには関わっちゃ駄目”。」 だって相性が悪すぎる。 呪いなんてチカラ、何時自身に返ってくるか解らないのに、 それを多用せざるを得ない状況なんて彼女が自爆するだけじゃないか。 だから俺は彼女に関わるな、と強く言い聞かせる。 「嫌だ!」 ……え? 俺の言葉に反抗した? 都市伝説の能力+暗示で命令したのにそれを無視? 「お兄ちゃんを危ない目に遭わせたくないもん!」 「そうか、解ったよ。 それじゃあ二人で安全確実にあの坂本とか言う奴を始末しよう。 それで良いね?それまで勝手に動かないってことは約束できるかい?」 「解ったよ!」 ……なんとか言うことは聞いてくれそうだ。 「よし、それじゃあお兄ちゃんの行きつけの洋食屋さんにでも行こうか。 純はオムライスは好きかい?」 「うん、大好きだよ!」 「じゃあそこに決定だね。さあ、行こうか。」 さて、今夜は家に帰れるのだろうか? そもそも明日は祝日なので朝帰りしようとも問題ないが。 ビバ☆自由業 俺は家に帰ってから事務所の女性陣等にドヤされるのを覚悟しながらも、 とりあえずこの子の気が済むまでデートに付き合おうと思ったのであった。 ~一方そのころ~ 「笛吹丁に拝戸純、揃いも揃って異常じゃないか……、しかも契約者。 何がどうなってあいつらが兄妹になっていたのかは知らないが、 普通人代表として、あれをあのままにしておく訳にはいかないなあ……。 でも俺弱いし、一般人だし、契約者じゃないし。」 顔を一生懸命洗いながらボソボソと独り言を呟き続ける男。 中央高校風紀委員長である。 「普通の人々が普通に暮らして行くには、ああいう存在は危険すぎる。 普通の人が、普通に暮らしていけるセカイ、 どんな理由でも俺の周りにそれを否定するような奴は居ちゃいけない。 俺はそれを排除するチカラなんて持ってないけどね。」 深く息を吸う。 「でもこれだけは解る。異常な人間の方が、都市伝説よりずっとずっと恐ろしい。」 その言葉は、決して彼一人だけのものではないように思われた。 【上田明也の協奏曲22~それはそれは可愛らしい~fin】
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441 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 34 49.41 ID IgxcIWs6 昔からお兄ちゃんは私だけを守ってくれた。 別に私が周りに疎まれていた訳では無い。 母や父も私には甘かったし、親戚も優しかった気がする。 勿論零菜もチヤホヤされて育った側の人間…だけどお兄ちゃんは違った。 小さい時から完璧な零菜とは違い、お兄ちゃんあまり目立たない子供だった。 それでも普通の人よりは勉強もできるし運動神経も良い方だろう。 だけど何事も完璧にこなす零菜が双子の妹というだけでお兄ちゃんは不出来な兄と決めつけられてきたのだ。 ――同じ血…同じ顔…同じ日に産まれてきたのにどうしてお前は違うんだ―― 毎日お兄ちゃんに重石の如く痛め続けてきた呪文。 ずっとお兄ちゃんは辛いのを我慢して…それでも笑って表情を誤魔化して…。 お兄ちゃんが一人になった時にみせる“孤独”が私の胸を締め付けた。 なんでお兄ちゃんが?いつも優しい私のお兄ちゃんがなんでそんなに悲しそうな顔するの? お兄ちゃんの悲しみが私の幼心に広がっていくのが分かった。 幼い頃は何故お兄ちゃんが貶されるかなんて理解する事はできなかったが、成長するにつれて“汚れた世界”を見渡せるようになった。 そしてお兄ちゃんの苦しみを理解したのだ。 442 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 35 10.23 ID IgxcIWs6 お兄ちゃんの苦しみを理解した後、私の悲しみが憎悪に変わるまでそう時間はかからなかった。 すべて零菜が居るから…零菜が居るからお兄ちゃんが傷ついているのだと。 だからお兄ちゃんが家を出ていった時、寂しさもあったがこれでやっとお兄ちゃんが救われると心の底で小さく喜んだ。 高校卒業後、すぐにお兄ちゃんを追いかければ良いだけ…理由をつけてお兄ちゃんが住む家に上がり込めば同棲だって出来る。 妹が実家を出て一人暮らしの兄を頼る…その図を作ればお兄ちゃんは絶対に私を迎え入れてくれる。 ――お兄ちゃんは絶対に私を“守る”のだ。 それが妹である私の特権であり、逆に私がお兄ちゃんを守る力にもなる。 お兄ちゃんの妹は私だけ――お兄ちゃんの理解者は私だけ――お兄ちゃんの家族はワタシだけ。 そう…ワタシだけなはずなのに…。 443 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 35 38.00 ID IgxcIWs6 「美味い!こんな美味しいハンバーグは近年稀だ!」 私が作ったハンバーグを満面の笑みを浮かべ口に押し込んでいる女の子。 初めて見た時は女の子か男の子か区別がつかなかったけど、お兄ちゃんがこの子を空ちゃんと言っていたので女の子だと分かった。 別に悪い意味で区別がつかない訳では無い。 ボーイッシュな雰囲気が全面的に押し出されているので、美形な男子と言われても納得してしまうと言うことだ。 多分男の子からも女の子からもモテるだろう。 「そっか。由奈が作る料理はなんでも美味いからな」 空ちゃんの隣に座るお兄ちゃんが自分が作ったかのように喜んだ。 「ありがと。そう言ってくれると毎日作ってる甲斐があるわね」 「おう!ぼくが美味いって言うぐらいだから喜んでいい!」 ハンバーグのソースがついた箸を私に向けて高らかに声をあげる空ちゃん。 それを瞬時に張り付けた笑顔で流し、お兄ちゃんに目を向けた。 私の視線に気がついたお兄ちゃんは私の目から避けるように目を反らした。 「はぁ……(この子なんなのよ…)」 ため息を吐き捨て、隣に居る空ちゃんへと目を流す。 444 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 36 21.91 ID IgxcIWs6 今日は日曜日…いつもならお兄ちゃんと二人で映画見てイチャイチャしたり、手を繋いでデートしたりお兄ちゃんのパンツに鼻擦り付けながら自分を慰めたり(これは毎日だけど…)私の癒し日になるはずだったのだが…。 今日の昼12時――突然我が家に見知らぬ女の子が訪ねてきたのだ。 それがこの子…降崎 空ちゃん13才。 見た目はまだ小学生じゃないかと間違えるぐらい幼さが残っているのだが立派な中学生だそうだ。 突然やってきた小さな訪問者に意味が分からず、玄関前に立つ女の子に何か用事?と問い掛けると「ここ兄ちゃんの家?」とだけ聞き返してきたのだ。 兄の知り合いにしては歳が離れすぎているので少し不安になりながらもお兄ちゃんに知り合いか聞いてみると、慌てたように空ちゃんと外に出て行こうとしたのだ。 流石に見過ごせず難色を示す兄と空ちゃんを無理矢理リビングに入れて今に至るのだが…。 「ねぇ、お兄ちゃん…そろそろ空ちゃんとどういう関係か教えてくれない?」 空ちゃんとお兄ちゃんが食事を終えるのを待ち、お兄ちゃんに問い掛けた。 お兄ちゃんに限って小さな女の子に手を出すような事は無いと思うのだけど…。 445 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 37 54.30 ID IgxcIWs6 「ぼくと兄ちゃんの関係?そりゃ…一言では表せない関係ってヤツかな」 空ちゃんの言葉に私の手が震えた。 「誤解を招く言い方するなよ!由奈、俺と空ちゃんは変な関係なんかじゃないからな!?」 焦ったように否定する姿がどれだけ嘘臭いかお兄ちゃんは分からないのだろうか? まぁ、お兄ちゃんがそう言うのだから本当なのだろう。 しかもこの空ちゃんって子…やたらお兄ちゃんにベタベタ触って…。 「お、おい…怒るなって。後でちゃんと事情を話すからさ…」 怒る?顔に出ていたのだろうか? 笑顔を保っていたつもりなのだけど…。 「まぁ、いいわ…お兄ちゃんご飯食べたなら早く服着替えてきたら?洋服はいつも通り机の上に置いてるから」 「分かった、着替えてくるよ」 「あっ、兄ちゃん食器ちゃんと流し台に置かなきゃダメだろ!」 椅子から立ち上がりリビングから出ていこうとするお兄ちゃんに空ちゃんが食器を指差し指摘する。 良くできた子だ…多分母親の教育が行き届いているのだろう。 だが、ここは私とお兄ちゃんの家。 他人のルールなんて無用なのだ。 「そ、そうだな…悪い悪い」 居心地悪そうに頭を掻くと、食器に手を掛け持っていこうとした。 446 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 38 24.82 ID IgxcIWs6 「待って…大丈夫よ私の仕事だからお兄ちゃんは早く服を着替えてきて」 お兄ちゃんの手を掴みそれを阻止する。 お兄ちゃんの世話は私がする。 二人暮らしを始めてからの決まり事なのだ。 絶対に誰にもさせない…。 「で、でも…」 「いいから、いいから」 お兄ちゃんの背中を押してリビングから退場させた。 お兄ちゃんをリビングから追い出した後、すぐにテーブルへと腰掛けた。 お兄ちゃんが服を着替え終わるのが5分ほど…早くしなければ。 「な、なぁ…由奈姉ちゃん何してんの?」 目の前に座る空ちゃんが恐る恐ると言った感じで話しかけてきた。 「何してるって…何が?」 今は空ちゃんの相手をしている暇は無いのに…。 「いや…なんで由奈姉ちゃんの食器から兄ちゃんの食器にオカズ移してるの?」 不思議そうに首を傾げ此方を見ている。 「なんでって?こうしたほうが美味しいからに決まってるじゃない」 早くしないとお兄ちゃんが降りてきてしまう…。 オカズをすべてお兄ちゃんが使った食器に移し変えると、早速お兄ちゃんの箸を掴みオカズを口に運んだ。 「んふふ…美味しい…」 やっぱりお兄ちゃんが使った後の食器で食べるご飯は格別だ。 447 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 38 50.24 ID IgxcIWs6 日曜日、週一回の私の楽しみの一つ。 お兄ちゃんが居る前ですると怒られるので隙をついてしかできないが、お兄ちゃんと共有しているというだけで私の空腹は満たされていく。 いつもならこの後お兄ちゃんの箸と歯ブラシと昨日お兄ちゃんが履いていたパンツを使ってオナニーするのだけど、邪魔な事に思春期真っ只中の女の子が目の前に居るのだ…。 「……な、なんで兄ちゃんのヤツ使うんだ?」 「なんでってお兄ちゃんを愛してるからだけど?あっ、まだ空ちゃんには早いかもね」 先ほどから何をオロオロしているのだろうか? 他人の家にきて落ち着かない?なら早く帰ればいいのに…そうすればお兄ちゃんと二人っきりでイチャイチャ絡み合って…それからそれから…。 「変態だぁーーー!!!」 突然空ちゃんが大声をあげて椅子から飛び降りた。 変態?私が?人の家に勝手に上がり込んで何様? これだから子供は嫌い…常識を知らないから。 「はぁ…もういいや。分かったから早く帰りなさいよ。お兄ちゃんとどういう関係か知らないけど…お兄ちゃんに近づいたら女の子でも張り倒すわよ?」 何処の子か知らないけど、そろそろ私も我慢の限界だ。 448 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 39 37.05 ID IgxcIWs6 私はお兄ちゃんとの時間を潰されるのが一番嫌いなのだ。 最近、お兄ちゃんにまとわりつくチンパンジーに苛立ちを覚えているというのに零菜も出てきて…。 「変態の癖に高圧的!変態は影で生きる生物なんだぞ!?おまえはただの変態じゃないのか!」 「はぁ?空ちゃんいい加減にしないと、素っ裸で外に放り出すわよ?」 箸をテーブルの上に置き椅子から立ち上がる。 真っ裸にはしないが、もう出ていったもらおう…休みまでわざわざ他人の相手なんかしてられない。 「うわぁぁぁあッ!!兄ちゃん助けてぇ!!高圧的な変態に襲われッわわわれッ、れ」 「あ、待ちなさい!お兄ちゃんに告げ口するつもり!?許さない!お兄ちゃんが怒ったら構ってくれなくなるでしょ!!」 ガクガク震える足を引きずりリビングから出ていこうとする空ちゃんの前に立ちはだかる。 「ひぃぃぃぃぃいッ!?ぼ、ぼくはッ兄ちゃんの妹なんだぞ!?兄ちゃんに言えば怒ってくッれむっ!?」 叫ぶ空ちゃんの口を押さえ込み、フローリングに押し付けた。 今なんて言ったのこの子? お兄ちゃんの妹? 笑えない…全然笑えない。 449 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 40 17.89 ID IgxcIWs6 「あのね?逆撫でする冗談は辞めたほうがいいよ?特に私は子供でも容赦しないから…分かった?分かったなら頭を縦に振りなさい」 私の声に反応し、空ちゃんが頭をコクコクと動かし二度頷いた。 「分かってくれたならいいの…私、物分かりがいい子は好きだから」 空ちゃんの口から手を放し、立ち上がる。 早くご飯を食べないといけないのに…こんな事をしているとお兄ちゃんがリビングに戻って……。 「由奈…おまえ何してんだ?」 真後ろから聞こえてくるお兄ちゃんの声…。 後ろを振り向かなくても分かる――これは間違いなく怒ってる時の声だ…。 ※※※※※※※※ 「そうなんですよ!だから私が何とかしたいんです!!」 勢いよくベッドから立ち上がり大声をあげる。 夜中なら近所迷惑になるかもしれないが、今はまだ16時。 16時でも独り言で大声を張り上げていたら近所関係無しに迷惑…どころか病院に連れていかれるかもしれないが今は電話中。 しかも相手はあのトップモデルの篠崎 零菜さん。 本当に偶然と奇跡が重なって出会えたと私は思っている。 しかも電話番号の交換までしてくれた。 450 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 40 42.95 ID IgxcIWs6 しかし、電話番号を交換したとしても零菜さんはモデル…私から電話することができず番号を毎日見ていると、突然今日零菜さんから電話が掛かってきたのだ。 見間違いじゃないかと何度も見返したが間違いなく零菜さんの番号が表示されていた。 電話の内容は何気ない日常会話。 今は休憩時間らしく、暇ができたので電話をしてきてくれたとのこと。 忙しい中わざわざ零菜さんから電話をしてくれたのだが、突然のことで話す材料を用意しておらず、情けない事に零菜さんからの話しにただ笑いながら聞いてることしかできなかった。 そんな感じで零菜さんの話を30分ほど聞いていると、電話番号を交換したあの日の話になった。 初めは他人に話していいのか迷ったが、まったく関係無い麗美さんだからこそ話せる内容だと判断し、優くんと由奈ちゃんの相談をさせてもらった。 勿論優くんの素性は伏せ、友達からの相談として零菜さんに話した。 話の内容に驚かれると思っていたのだが、そんなことは無く零菜さんは親切に相談に乗ってくれた。 そして相談していくにつれ、私もいつの間にか自分の感情を剥き出しにして零菜さんに話していたのだ。 451 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 41 09.15 ID IgxcIWs6 なんとか優くんを助けてあげたいこと…由奈ちゃんに間違っている事を自覚してほしいこと…。 気付けば零菜さんにすべてを話していた。 『ふふ、本当にその男の子のこと好きなのね…』 「いや、まぁ……ははっ…はい…」 別に隠しても仕方ない。 麗美さんなら問題無いだろう…。 「あっ、そうだ!麗美さんって兄妹居るんですか?」 麗美さんの名字は優くんと同じ。そんな偶然ある訳無いと思うのだけど一応…。 『兄妹?初めて会った時に言わなかったっけ?兄と妹が二人居るわ』 「あっ、そうでした!ごめんなさいっ!」 そういえば言っていた気がする…夢のような時間だったのであまり覚えていないのだ。 『あっ、ごめんね?休憩終わっちゃった。また電話するわ』 「あ、そうですか……分かりました。それではまた…」 電話を切り、ベッドに放り投げる。 麗美さんの兄妹…。 でも、優くんとはやっぱり関係無いみたい…確か麗美さんは私や優くんと同い年。 それに今思い出した事だが、優くん本人が妹は由奈ちゃん一人しか居ないと言っていた。 優くんと顔が少し似ているけど、やはり思い過ごしのようだ。 てゆうかそんな偶然続く訳が無い。 452 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 41 42.17 ID IgxcIWs6 「ん…メール?」 投げた携帯が青い光でピカピカ点滅している。 あの光の色はメールが届いた時に光る色。 再度携帯を掴み中を確認すると、知らないアドレスが表示されていた。 メールの内容を確認してみる。 『今さっき電話したのにメールでごめんね? さっきの話だけど、薫ちゃんが強引にでも引き剥がせばいいんじゃない? 多分、そういう関係は他人が間に入らないと改善されないんじゃないかな? 一度薫ちゃんからその男の子をデートに誘ってみたらいいよ。それで薫ちゃんの気持ちを伝えてあげなよ。 お節介でごめんね?でも応援してるから頑張ってね』 文を何度も読み返し、確認する。 「これって、麗美さんだよ…ね…」 わざわざ忙しい中メールしてまで相談に乗ってくれるなんて…。 麗美さんの言う通り、私が何とかしないといけない。 「よ~し!さっそく優くんに電話しなきゃ!」 麗美さんの言葉に勇気づけられた私は早速優くんを誘うべく優くんの携帯にメールを送った。 「よし……あっ、零菜さんにもメールしなきゃ!」 先ほど送られてきたアドレスにメールを返す。 「これでOK…って、あれ?そう言えば……私零菜さんにアドレス教えたっけ?」 453 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 42 10.49 ID IgxcIWs6 ふと、零菜さんのアドレスを見て疑問に思った。 記憶を遡り思い出してみるが、教えた記憶は無い。 「ま…いっか!優くんとデートかぁ…ふふっ楽しみだな」 多分零菜さんと初めて会った時にでも教えていたのだろう…。 つまらない疑問を頭から消し去ると、優くんからの返事を待つことにした。 ※※※※※※※※ 「……」 携帯を閉じテーブルに乗せる。 私は電話は苦手だ……苦痛さえ感じている。 電話が苦手と言うより会話が苦手と言ったほうがいいかもしれない。 とくに他人の場合は…。 ため息を吐き捨てテーブルの上にある小さなティーカップを掴み口に持っていく…私の愛用しているティーカップ。 四年ほど前に父から誕生日に貰ったプレゼントだ。 他にも誕生日になるといろいろなモノが届けられる。 どれも高価なモノばかりで、必ず手紙が添えられている。 手紙の内容は…まぁ、見飽きた殺し文句の羅列だ。 綺麗だ…愛してる…お付き合いしてください。 正直飽き飽きしている。 自分に自身があるのか、自分撮りの写真を添えるファンも多い。 そういった手紙はすべて読まずに捨てる事にしている。 貰ったモノも知り合いに流している。 454 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 42 32.92 ID IgxcIWs6 仕事柄、プライベートを貰ったもので身を飾ると滑稽に映るからだ。 「零菜さん、そろそろ大丈夫ですか?」 私の元に小柄な女性が歩み寄ってきた。 眼鏡を掛け、髪を後ろに縛りスーツを着こなす女性…名前は…忘れた。 別に覚えなくていい。 覚える必要が無い…。 「貴女…明日から違うモデルの子についてね」 「へっ?」 唐突に発せられた私の言葉に顔をひきつらせている。 「私のマネージャーは違う子にするから。だから貴女は違うモデルの子について。話はそれだけ、さようなら」 手のひらをヒラヒラとなびかせ消えるように急かすと、オドオドとスタジオから姿を消した。 これで何人目だろうか?もう覚えていないが、軽く二桁は超えているだろう。 別に要領が悪いとか合わないとかでは無い。 単純に同じ顔を見ていると飽きてくるのだ。 だから飽きたら捨て飽きたら捨ての繰り返し、誰も私に歯向かわないから余計に腹が立つ。 ヘラヘラと人の顔色を伺ってはペコペコと…唯一私に反抗するのは血を分けた双子の兄だけ。 そう…私より劣ってるあの“不出来”な兄だけなのだ――。 455 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 44 45.41 ID IgxcIWs6 「……」 優哉の顔を頭に浮かべたら腹が立ってきた。 テーブルから携帯を雑に取り優哉の元に電話をかける。 今頃は空が家の空気を歪めているころだろう。 見知らぬ“妹”が家に突然上がり込んできたのだから、由奈が黙って見ていられる訳が無い。 「……」 数コール鳴らしてみたが、電話に出る気配を見せない。 仕方なく電話を切る。 まぁ、いい…空を迎えに行った時にでも話せばいい。 どうせ電話しても由奈が出て優哉に繋がないだろうし…。 「ふふ…今度はどんな歪んだ表情を見せてくれるのかしらね?あの“兄妹”は」 ――私の暇潰し……それは言葉通り目標を“潰す”ことだった。 戻る 目次 次へ
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【検索用 てれかくしししゅんき 登録タグ HoneyWorks VOCALOID Youtubeテンミリオン達成曲 Youtubeミリオン達成曲 て ゴム チョリスP パスタ ミリオン達成曲 ヤマコ 初音ミク Project mirai 曲 曲た 殿堂入り 海賊王 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:使徒・ゴム(HoneyWorks) 作曲:使徒(HoneyWorks) 編曲:HoneyWorks ギター:海賊王 ベース:使徒 ピアノ:パスタ 動画:ヤマコ 唄:鏡音レン 曲紹介 もし、妹がいたら・・・なんてね( ・´ー・`)フッ 曲名:『テレカクシ思春期』(てれかくしししゅんき) 音楽ユニット「HoneyWorks」の19作目。 「告白予行練習」シリーズの派生曲で、兄と妹の微妙な距離感が綴られている。 ニンテンドー3DS「初音ミク Project mirai 2」書き下ろし曲。 歌詞 化粧してる?ガキのくせに 色気づいちゃってちょっと違和感 彼氏でもできたのか? そんな妄想 Sunday お気に入りのパーカー それ部屋着にしちゃってくれてますが お下がりにも慣れっ子になっちゃってんだ 「使用、許可だ」って甘やかしてさ イタズラ笑顔に負けて 交じりっけ無し思春期 知らん顔で僕を惑わす 変わらないね泣き顔 余裕で負けちゃうよ 嘘じゃないってマジ顔 言葉にするのは恥ずかしいんだ 「ついてくんな」遠ざけてた 真似してフード深く被って 幼かった二つの手繋いで歩けなくて お気に入りのおもちゃもだね 壊され三日口も利かずに 怒られても意地っ張りなっちゃっていた 「しょうがないな」って今なら言える? 素直な言葉に変えて 照れ隠し反抗期 知らん顔で無邪気に笑う 変わらないね明日も 未来も当てちゃうよ 嘘じゃないってマジ顔 ずっとね隣でいつも見てた オトナだってフリしたり コドモだってフリしたり 変わらないで泣き顔 たまには悪くない さあ言葉にするから 「大切だよ」これからも 変わらないね明日も ずっとね隣でいつも見てる コメント + コメント 2013 なんとなく題名的にハニワさんかなぁって思ってたらやっぱりハニワさんだぁ 3DSカセットにのるんだぁ^o^ -- 名無しさん (2013-10-26 19 43 36) こんな兄ちゃんほしい!!w -- 名無しさん (2013-10-26 21 52 30) やっぱHoneyWorksとしてのヤマコさんの絵が一番かわいい!w -- 名無しさん (2013-10-26 21 54 20) もしかしてこれを始めとした周りの兄弟の曲もでてきたりするの?! -- 名無しさん (2013-10-27 03 08 31) ハニワさん大好きです!!とってもカワイイ曲!! -- 名無しさん (2013-10-27 12 11 46) 最高!!めっちゃかわいい!!…けどこれが現実にいないんだと思うと…orz -- 名無しさん (2013-10-27 18 12 15) めっちゃいい~。お兄ちゃん欲しい・・・。 -- nana (2013-10-27 18 30 03) 一日に、十回以上聞いてる!! -- 旅人 (2013-10-27 18 44 02) 可愛すぎるわぁ!!(*´д`*) -- ぴみゅん (2013-10-27 22 16 18) 追加乙です!お兄ちゃんと妹ちゃん可愛い(*´`)他の兄弟や姉妹も楽しみ( (o(*´∀`*)o) ) -- 名無しさん (2013-10-28 06 40 06) かわいい!! -- 名無しさん (2013-10-28 14 39 41) かわええええええ!俺妹思い出したww -- 名無しさん (2013-10-28 21 15 07) 妹ちゃんの恋愛話が聴きたい・・・!! -- 名無しさん (2013-10-28 22 58 02) かわいい!!!お兄ちゃんかっこいい(ノω`●)ノ -- 名無しさん (2013-10-28 23 07 03) うちの兄貴と交換してほしい(´;ω;`)切実に -- 瑠璃覇 (2013-10-29 00 48 49) でも実際現実にこんな兄妹いたらドン引きするわw二次元だから許せるけどね -- きょんか (2013-10-29 00 51 09) 流石にhoneyworksさん×ヤマコさんです!!優くんみたいなお兄ちゃんが欲しかった。。 -- 飴熾 (2013-10-29 13 31 26) 妹ちゃん視点のanotherstoryも出るのかな? -- 名無しさん (2013-10-29 13 33 44) 歌詞もPVも全部可愛い(*'艸`*)今1番の癒し曲!!w -- りむ (2013-10-29 15 34 29) 追加乙です!!お兄ちゃんかっこ良すぎ(/ω\*) -- あず=^・ω・^= (2013-10-29 19 08 27) 先輩と妹さんのやつとか出そうな雰囲気だ -- 末っ子 (2013-10-30 17 34 38) 「おもちゃもだね」の口調(だね)激萌え -- 七 (2013-10-30 17 36 12) ハニワさんの曲、大好きです♪ -- 名無しさん (2013-10-30 20 03 10) 待ってました!もう萌えすぎます!ありがとうです⁽⁾(*ノ´O`*)ノ -- 紅覇 (2013-10-30 20 58 27) え、めちゃくちゃ可愛いんですけど(*´▽`*)www -- ライ (2013-10-31 22 56 23) お兄ちゃんって告白予行練習の子で、子供時代の時いる子供って告白予行練習の女の子とヤキモチの答えの男の子ですかねー? -- 雪乃 (2013-11-02 13 25 53) 良いお兄ちゃんだ!!可愛い♡ -- 最々 (2013-11-02 13 59 36) 妹がほしいーーー -- 名無しさん (2013-11-02 14 11 26) こんなおにぃほしいよぉおwハニワさん神です☆ -- 名無しさん (2013-11-03 09 44 47) ハニワさんの曲大好きです♡ Anotherstoryあるのかな?? -- 名無しさん (2013-11-03 17 16 20) こうゆう、お兄ちゃん欲しい! -- マリー (2013-11-04 00 48 19) はにわさんの曲大好き!! 妹のお話も知りたい♪♪曲出てほしいなぁ^^ -- 絢里 (2013-11-04 17 43 39) 女性視点て、ないんですか? -- 名無しさん (2013-11-04 17 52 57) こんな妹がほしかった -- 謳歌 (2013-11-05 01 49 33) 感動 -- 名無しさん (2013-11-05 20 11 22) ハニワの曲には、ヤマコさんの絵が一番似合う♡可愛い♡ -- 名無しさん (2013-11-07 23 46 29) honey worksさん神!! 妹の雛ちゃん可愛すぎてツライっ(><) 聴いてて癒されますね♪ -- 黒猫 (2013-11-08 18 58 28) プロジェクトミライにこの歌入れてくれてマジ感謝やわぁ~← -- カエルò∀ó (2013-11-08 19 21 44) 「大切だよ」で兄ちゃんほしいいい!!って思った! -- レンミクhshs (2013-11-08 19 33 17) 良い曲だよね、絵も可愛くて超好きです. -- AYANO (2013-11-09 15 29 27) お兄ちゃん交換して欲しい(切実 -- ムゥ (2013-11-09 20 35 58) 先輩ってだれ? -- 名無しさん (2013-11-14 16 32 21) きゅーんww -- 鈴叶 (2013-11-14 20 56 37) この曲可愛いー -- today (2013-11-15 17 26 59) ハニ曲さいこ~!!新しい曲出てほしいなぁ~ -- AINA (2013-11-15 20 53 55) 頭に残る~。かわいい曲ですね(/ω`*) -- ふー (2013-11-15 22 04 55) やばい、この曲のせいでお兄ちゃん欲しくなった。 -- 名無しさん (2013-11-15 23 11 25) いい歌~ 妹可愛いですね!さいこー -- くれーぷ (2013-11-16 19 26 10) 大学とか就職していなくなった兄を思い出しました。大切って思ってくれてたらいいな…。 -- るず (2013-11-17 16 31 49) anothrに期待!(`・ω・´) -- 名無しさん (2013-11-18 22 24 36) めっちゃいい曲♪ -- 猫派 (2013-11-21 19 02 29) 私のこんな優しいお兄ちゃんじゃないけど(笑)、改めてお兄ちゃんって良いなって思いました♪お兄ちゃんに甘えたことないんで理想的でした -- ゆいゆ (2013-11-21 22 12 56) お兄ちゃんほしーいw曲かわいいー♪ -- 琥珀 (2013-11-23 18 58 26) この曲めっちゃ好き!!! -- なし (2013-11-27 21 26 26) いい曲すぎて、ヤバイ!!絵も大好き、天才すぎ(笑 -- RUI (2013-11-28 18 42 44) レンlove好きすぎ>< -- 捺音クラ (2013-11-28 18 48 24) 追加乙!この曲でKAITO兄のボーカルチェンジあるのも嬉しい!!mirai2買うぞ…!! -- 翼 (2013-11-28 20 54 53) ハニワさんの曲大好き!! -- 名無しさん (2013-12-03 23 16 52) はにわさんいいわー -- 強欲×リン (2013-12-04 14 51 17) お兄ちゃんいいですねー(*´∇`*)ホノボノ -- ハッピーエンドだー (2013-12-04 18 47 50) この歌はホントに良い。いつでもどこでも聞いていたいね。 -- 名無しさん (2013-12-08 00 55 44) ハニワさん最高ヽ(*´▽)ノ♪ -- 名無しさん (2013-12-09 16 07 08) KAITOverが好きだーこの曲かわいい -- 名無しさん (2013-12-10 13 22 34) 絵がかわいい 曲も良いし、何度聞いても飽きがこない -- 名無しさん (2013-12-13 14 26 42) うちのアニキとは大違い! 仲の良い兄妹の曲ですな。 -- 名無しさん (2013-12-13 14 29 19) なにこれめっさぎゃわいいいい!俺もこんな兄妹になりたいっ -- (´・ν・`) (2013-12-15 18 06 42) ぼくもこの曲大すきです!こんなかっこよくて優しいお兄ちゃんになりたいと思いました。 なん回も聞いてます! -- かがみね れん (2013-12-18 15 01 00) こんなかわいい妹がほしい。 -- karia (2013-12-19 20 51 21) きゃぁー!!かんぺきですね!! -- 天月さん尊敬します (2013-12-19 21 13 54) お兄ちゃんがほしいなぁ、って思える歌ですね!私のお兄ちゃんもこれくらい優しければな... ww -- 蓮 (2013-12-22 10 29 25) お兄ちゃん欲しいよぉぉぉぉぉぉ!!!!って思うねっ! -- すず (2013-12-27 19 04 42) 途中で告白予行練習の人でてる~。お兄ちゃんほしい。 -- ほう (2013-12-27 21 05 22) お兄ちゃんいいなぁー。 -- 諒 (2013-12-27 22 32 05) 歌詞がめっちゃいい!すぐ覚えたくなる -- 名無しさん (2013-12-29 00 10 10) この曲聞くとお兄ちゃんってとってもいいですね~♪ -- (*´∀`*) (2013-12-29 08 15 57) お兄ちゃん欲しい☆ -- みゆ (2013-12-30 14 57 41) レン君大スキ!こんなお兄ちゃんほしいなぁ♪かっこいい☆ -- 人音アンリ (2013-12-30 15 05 00) めっちゃいい歌(^^♪ お兄ちゃん欲しいっ -- りん (2013-12-30 18 11 02) + コメント 2014 この曲メチャ好き!!! -- りんりん (2014-01-03 15 38 01) この曲大好きー! -- レンくんも大好きー! (2014-01-03 16 27 51) ハニワさんの曲最高 -- 名無し (2014-01-04 17 42 28) こんなカッコいいお兄ちゃんが良かったなぁ~♪ ゲームしてるとこ、ジョニーいない!?気のせいかな… -- もっちー (2014-01-13 11 52 02) 予行練習の優君!妹いたの知らなかったです。この歌mirai2に入ってて良かった♪ -- Love Dreamer (2014-01-13 15 59 40) あんな優しいお兄ちゃん欲しい… -- 影羅 (2014-01-13 21 23 15) このお兄ちゃんくださいwwかっこいいわぁ・・。 -- 名無しさん (2014-01-13 21 41 16) この妹の呼び方って、すうですか?それともひいなですか?(雛) -- あの。! (2014-01-23 18 09 20) 上の読み方はぁ、ひな、だぉ -- 名無しちゃんだお (2014-01-25 07 22 05) これ妹の3Dのカセットに入ってたーwww レンかっこいいー! -- ひよりん (2014-01-27 08 33 52) 分かった、ハニワ様の歌は毎回鳥肌が立つ程素晴らしい曲だ~ -- くろ (2014-01-30 15 02 43) こんなお兄ちゃん欲しいよ~!! この曲大好き(⊃ω⊂)!! -- みお (2014-02-05 18 28 35) 兄妹愛だねー♪♪♪♪ -- 12愛 (2014-02-21 16 19 27) お兄ちゃんこんな優しくないぃいいい -- ましゅ (2014-02-21 18 48 21) かっこよすぎ♡ -- ねこ (2014-02-22 21 02 00) イケカワ兄弟だyowこんな兄弟がいいなぁ(*´▽`*) -- 名無しさん (2014-02-23 10 44 49) テレカクシとライバル宣言をよーーーく見たらすごいことが分かった!!!!!! -- 夢猫 (2014-02-24 12 20 20) 『大切だよこれからも』のところPVを見ながら聞いたら泣いてしまった KAITOversionもよかったよ -- 兄さん溺愛なう! (2014-02-24 16 34 54) こんなのが兄だったらな.... -- 奈乃 (2014-02-28 19 01 35) このめっちゃ可愛い曲をレンくんが…萌え過ぎて死ぬ -- レンくんなう (2014-03-02 12 11 00) こんなお兄ちゃん欲しい← -- どりるますた - ☆ (2014-03-03 20 32 25) こーゆー兄ちゃんがほしい!!早く雛ちゃんと恋雪くんが結ばれてくれないかなー♡ -- asuにゃん (2014-03-06 10 37 21) こんな兄がほしいッス!! -- イルカ (2014-03-10 22 38 03) これって雛ちゃんを妹として大切にするよ。ってことなんですか? にしても恋雪クンと雛ちゃんが付き合ったら・・・ ヤバす! -- くろミン (2014-03-13 11 42 45) 最高ですううううううううう -- ポップコーン (2014-03-14 20 42 41) ハニワサイコオオオオオオ!!! -- めんま (2014-03-21 13 03 47) ゲームのキャラクタースサノオとジョニー? -- 伊織 (2014-03-24 18 38 08) おにいちゃんほしいー -- みさき (2014-03-28 13 08 52) こんな°*☆カッコイイ☆*°兄だったらねぇ~…。 -- ハニワlove (2014-03-29 11 00 44) こんな、兄と妹が欲しいヽ(●´ε`●)ノ ホスィ -- 初ったん (2014-03-29 11 39 27) こんなお兄ちゃんほしかったですー(っω`-。) -- 名無しさん (2014-03-31 15 56 45) もしこんな兄ぃがいたらなんて。 -- 椎名美玲 (2014-04-01 20 05 15) お兄ちゃんがいるから、手をつないでくれなかったり、おもちゃ壊したりの歌詞わかる!なんか他の子とかは、「お兄ちゃん!」とか言ってたの見ていいなって思ってた。 -- 木戸貴音 (2014-04-06 02 04 12) めっちゃええ曲やん☆☆ -- 詩人 (2014-04-06 18 30 44) こんな曲作れんのハニワさんくらい。めっちゃいい曲 -- とっぴ (2014-04-07 13 30 43) この曲めっちゃ好き(*‘∀‘)お兄ちゃん欲しくなる~ -- チキン (2014-04-07 22 55 31) こんなお兄ちゃんほすぃ~! -- めぃめぃ (2014-04-13 08 33 06) 曲調がいい!♪(/ω\*) -- あえ (2014-04-13 21 06 15) 私もお兄ちゃん欲し~ -- 名無しさん (2014-04-26 13 16 42) 妹わっしょい -- あんパン (2014-04-29 08 10 11) この曲めちゃめちゃいい -- 腐女子 (2014-04-29 18 06 23) 「彼氏でも出来たのか」って!お父さんかよっ!! -- ぷくぷく (2014-04-29 22 35 47) こんな兄が欲しい! 私の兄なんて…笑 -- 名無しさん (2014-04-30 20 52 41) ハニーワークスの曲大好きです!!!!!!この曲聞いて、はまりました。他の曲かもおすすめします -- 名無しさん (2014-05-08 23 04 42) きゃわいいぃぃぃ‼ #65038;‼ #65038; -- もちもちもちた (2014-05-10 19 36 16) この曲、大好き♪ ハニワさん、いい曲作るよね!大ファンです! CD欲しい! -- はるにゃん (2014-05-14 22 10 23) この曲めっちゃ好きです!!♡ -- キキ (2014-05-15 22 58 38) 優くん、羨ましい。 -- らいおん (2014-05-16 23 32 41) こゆき君と雛ちゃんは絶対くっついてほしい♡ -- ハニワ病w (2014-05-18 14 10 00) あぁ、レン君マヂかっこいい(ノ´∀`*) -- 進撃の巨人 (2014-05-20 17 52 05) この歌めっちゃ好きです(*^^*) -- キャワ (2014-05-25 21 38 09) サイコーだな -- ストロベリー (2014-05-27 20 56 33) やっやはりいつ聴いてもいいわー!!! -- うきゃっwww (2014-05-28 18 37 39) こういう感じの曲とても大好きです。僕にも妹はいるのですがなかなかこんなふうにはいかないです。 -- 名無しさん (2014-05-28 22 49 01) こんなお兄ちゃんほしー♪───O(≧∇≦)O────♪ -- ナー (2014-06-07 09 57 12) いつ聴いてもいい曲ですねー(*^^*) こんな兄が欲しい!! -- 恋雪君と雛ちゃんはくっついて欲しい! (2014-06-08 20 54 43) 優くんイケメンすぎる……現実にもいたらなぁ。 -- みくろ (2014-06-14 11 13 29) うちの兄もこんなに優しかったらなー(T_T) -- キド (2014-06-14 11 16 03) 萌え萌えな兄妹ですね(´∀`)* -- なつ (2014-06-15 13 59 21) これ、メロディーも歌詞もPVも神ですね!ところで PVの二人って優と雛ちゃんですか? -- MERONPAN (2014-06-15 14 44 02) この曲メッサ好き!大好き雛と優サイコォ~ハニワさん神~ -- 真のアサヒナー (2014-06-29 23 32 58) お兄ちゃんほしぃ~! てかまず彼氏ほし~☆ -- かえ (2014-06-30 17 36 04) こゆきくんとくっつけ~(* `ω´ ) -- 名無しさん (2014-07-03 23 30 04) すいません、、テレカクシ思春期ってなんですか? -- 名無しさん (2014-07-07 00 00 21) こんなお兄ちゃんほしぃーよぉ~\\\\ -- haniwa (2014-07-07 20 38 16) どうでもいいけど、終盤に一瞬だけ恋雪が...それを見て目から汗が出そうになった -- アロー (2014-07-08 21 34 35) この歌大好き!!もうサイコ~!!!! -- 夜黒V (2014-07-20 12 07 20) あんなお兄ちゃんほし〜□ -- hina (2014-07-23 17 41 03) こんなシスコン野郎をなんでなつきは好きになっちゃったんですかね? -- 海賊王 (2014-07-26 22 39 45) ↑「もちたとあかり…春輝と美桜…じゃあ、こいつらくっつけちゃえ」みたいな? -- 名無しさん (2014-07-28 12 44 33) ↑じゃあ雛ちゃんとゆっきー…こたろうはどうなるんですかね? -- 海賊王 (2014-07-28 22 08 30) うちのお兄ちゃんも、こうだったらいいのに‥( 〃▽〃) -- ラブ (2014-07-30 10 28 14) 理想の兄弟って感じで、羨ましいです。 -- ももた (2014-08-03 14 48 47) はにわダイスキ★優みたいなお兄ちゃん欲しいっ(〃∇〃) -- 名無しさん (2014-08-07 16 43 10) この曲大好き(´艸`*) -- 花子ピーチ (2014-08-08 20 57 46) この曲すっごく可愛くてハマる! -- マリア♪ (2014-08-12 15 26 06) ハニワの歌やっぱいいわ~!あんなお兄ちゃん欲しいな♪ -- 京安LOVE (2014-08-21 21 46 09) こんな兄弟が実際にいたら・・・う~ん羨ましい・・ -- 40㍍plove (2014-08-26 17 28 53) はにわさんは何をしても最高!パンダのパーカーほしいな(@ ̄ω ̄@) -- ひも (2014-08-27 07 14 26) めっちゃいい曲!!♡ -- みさ (2014-08-28 18 40 29) 可愛い曲ですね♪ -- 彩乃 (2014-09-11 21 30 05) 妹ちょーーかわいい♪ -- うらら (2014-09-22 22 05 13) 美男美女?兄弟の名前おしえて~~~ -- 名無しさん (2014-09-22 22 08 02) この曲サイコー 可愛い -- 名無しさん (2014-09-22 22 09 01) いい曲だわ! 兄さんほしいわ(^∀^v -- 名無しさん (2014-09-22 23 08 13) 歌と絵が合ってるぅ―O(≧∇≦)O― -- みき (2014-09-26 18 29 23) 優も(・∀・)イイネ!! -- (´∀`*)ウフフ (2014-09-26 19 46 20) 優くんみたいなお兄ちゃんほしかったぁ~ -- chiha (2014-10-06 15 37 29) こんなお兄ちゃんほしい‼ #65038;‼ #65038;‼ #65038; -- 青ティン (2014-10-22 20 01 45) かっこいいな -- 名無し (2014-10-22 21 52 33) お兄ちゃんいるけどこんなにかっこよくないwwwww -- 名無しさん (2014-11-09 12 42 14) はぁぁ~ちょういい曲なんなぁ -- ひみひみ (2014-11-09 20 16 58) お兄ちゃんいるけど…悪ガキでこんなに優しくない。私も優君みたいなお兄ちゃんがほしい! -- 花びん (2014-11-10 16 24 43) ゆうくんと、ひなちゃんかっこかわいい! -- 名無しさん (2014-11-10 16 26 41) いい曲~!!何度聴いてもあきない! -- 凛那 (2014-11-10 22 47 41) ハニワさん、やっぱ好きー! -- あやなり (2014-11-11 07 26 43) 雛→こゆき→なつき←→優の関係がいい!変わらないね泣き顔♪ -- シンタロー (2014-11-14 17 47 23) ケンカもすると思うけど、ずっと仲良しでいてほしいな。 -- なるミンw (2014-11-14 20 30 31) うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁa(((ry -- 木戸修助 (2014-11-14 22 40 02) かっこいい こんなお兄ちゃん欲しい~! -- 名無しさん (2014-11-27 00 20 49) いい曲~ やっぱハニワいいね~^∀^ -- らら (2014-11-27 00 26 52) 雛©の泣き顔が可愛いと思う私は変態なのでしょうか( `°△°´) -- きつふ (2014-11-29 21 10 58) ハニワ好き!!可愛い!雛ちゃん最高!!優も好き!!私にもお兄ちゃんがいたら…何てね(〃▽〃) -- 柚香 (2014-12-06 13 28 42) こ、この化粧は、か、母さんにやられたんだよ! -- このこの (2014-12-08 19 04 50) 一人っ子にはうらやましい。。。 -- 琥珀 (2014-12-08 23 37 13) ハニワ最高ー!です。こんなお兄ちゃんが欲しい!です。最高ーーーー! -- 江戸川コナン (2014-12-10 23 06 18) 可愛すぎる♪ -- 迷い猫 (2014-12-14 03 56 10) ほんと萌える!!瀬戸口くんみたいなお兄ちゃんが欲しい(′ω'#) -- まねきねこ (2014-12-20 10 13 44) オトナだってフリしたり~のところ好きすぎる!雛ちゃん可愛い~♡ -- 名無しさん (2014-12-20 12 23 38) こんな、お兄ちゃんほしいなぁ… -- あ (2014-12-20 17 37 40) 俺の兄貴こんなんだったら自慢してんな -- ひじき (2014-12-20 23 18 56) 雛可愛いよー 嫁にくれー 同性だけどもー -- 私変態⁇ (2014-12-26 23 07 53) 照れ隠し思春期サイコー⁉いつ聞いても良い歌だよね‼(ノ´∀`*) -- 羽衣狐 (2014-12-29 12 48 21) 他のとこの兄妹系の歌も出して欲しい>(・ε・`) -- ふぅ汰 (2015-01-02 21 01 07) こんなお兄ちゃんほしーー -- わわ (2015-01-05 12 59 46) 一人っ子だから、こういう素敵な兄や、妹が居てくれたら・・・・。とても素晴らしい曲でした。 -- nairu (2015-01-07 22 33 16) 義理のお兄ちゃんでもいいからほしいよー!ハニワの曲マジ神曲! -- MM (2015-01-11 07 33 29) やっぱリ優みたいなお兄ちゃんほしいなあ。いい曲・ -- 雪乃 (2015-01-11 21 17 19) 俺の兄貴ととっかえて欲しいwww 羨ましいなぁ・・・・ -- 廚二病子 (2015-01-14 18 15 23) 優くん、良いお兄ちゃんですね。 -- 日南 (2015-01-16 18 38 02) ハニワさ〜んひどいっすよぉ ますます二次元にハマっちゃううっ -- I love 銀魂 (2015-01-16 23 08 57) もう!とっても仲のいい兄妹じゃないか!うらやましい! -- サンシャイン・ブルー (2015-01-17 13 55 47) この曲すきだ、 -- 名無しさん (2015-01-27 15 24 47) こんなお兄ちゃんいいなぁ -- 名無しさん (2015-01-31 18 33 16) ハニワさん最高!!雛ちゃんすっごく可愛いし、こんなお兄ちゃん欲しいなって素直に思いました(*´ω`*) -- とみ猫 (2015-02-02 20 19 25) 一人っ子が余計に辛い( ´•̥ו̥` )こんなお兄ちゃんがいたらいいのにな〜(´. ॄ.`) -- ゆきっぺ (2015-02-05 22 07 30) うわぁ~ こんな、兄妹うらやましすぎる。 雛ちゃん やっぱり可愛い♪ -- ハニワlove (2015-02-12 15 59 57) お兄ちゃんは妹好きなの? -- おっぽ (2015-02-18 10 31 27) いい曲~('-'* -- 名無しさん (2015-03-09 18 27 32) お姉ちゃんいるけどお兄ちゃんも欲しいな~(笑 -- 恋雪君大好き☆ (2015-03-09 18 29 27) こんなお兄ちゃん欲し〜(*ノ´O`*)ノ -- ハイのん₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑ (2015-03-09 19 39 54) かわいいー♪ -- 名無しさん (2015-03-10 20 34 13) めっちゃ、いい曲ですね。お兄ちゃん欲しいわ。 -- 実羽 (2015-03-11 18 34 55) 私一番上なので、こんなお兄ちゃんほしいです!!(*^^*) -- 白面書生 (2015-03-13 09 20 46) 兄ちゃん欲しい。 -- 瀬戸奏 (2015-03-14 16 51 37) この曲大好き(’‘) -- ハニワlove (2015-03-18 10 06 01) 雛の泣き顔が・・・幸せになってほしい子no1 -- ぱにーに (2015-03-18 10 13 58) この曲大大大好きです! -- ハニワ大好き! (2015-03-22 01 58 25) 優しい上にルックス◎なんて… 雛ちゃん羨ましい -- 夢見るかご鳥 (2015-03-29 17 18 34) こんな兄がほしい!!交代してください!(真顔)← -- 名無しさん (2015-03-31 16 06 00) こんな兄ちゃんいいなぁ!ってかこんな妹も欲しい!! -- 埴輪好き (2015-04-06 17 19 47) こんな、お兄ちゃん欲しい(^^) -- りーの (2015-04-17 19 56 52) この曲レンが歌ってるからこそだからいい(=゚ω゚)ノ‼‼ -- ハニワ (2015-05-15 22 34 13) 私も兄弟が居ますが、一番上の「お姉ちゃん」なので、こんなお兄ちゃんが居て、羨ましいです。 -- お嬢 (2015-05-28 16 27 19) えっ・・・し、シス、シスコ(( -- 漆黒の堕天使【ダークエンジェル】 (2015-07-16 15 04 46) 絵も歌も大好き! -- ☆ (2015-07-19 15 03 20) 美形兄妹羨ましい(._.) -- 名無しさん (2015-07-19 15 22 27) この曲もこの兄妹も大好きこんな可愛くなりたいし、兄にもこんな格好良くなってほしい -- ここあ (2015-07-20 17 10 11) もうめっちゃ好き!中毒です! -- 静歌 (2015-07-21 12 53 03) 瀬戸口兄妹いいねー!大好き! -- 鳴吉 (2015-07-23 17 28 10) この曲すごい好きです!兄妹っていいなって思います -- いぬ (2015-08-05 12 37 04) 最高!!! -- s (2015-08-09 15 41 53) この曲めっちゃいい曲だよね!レンが歌ってるのもう最高! -- 鏡音レン♡ (2015-08-26 12 45 30) 雛ちゃんの切ない泣き顔&優の優しさ、、、何度見てもグッとくる(♡v♡) 夏樹&虎太郎の曲も聴いてみたいなあ(☆v☆) -- ハニワLOVE♡ (2015-08-27 18 22 29) うん、いいね -- 縺ソ繧岩擘? (2015-09-18 11 15 41) この歌大好き♥ -- 銀魂&ボカロ大好き (2015-09-20 00 16 11) 諦めないで! -- ぶりっ娘 (2015-09-20 13 01 14) ツンデレなお兄ちゃんが欲しい(≧∇≦) -- 藍❥ (2015-09-20 17 17 13) 優を兄貴にしたい!!!!!!! -- PPP (2015-09-23 22 01 10) 私もこんな兄貴が欲しいいいいいいい!! -- 菜の花麻婆塩キャラメル。 (2015-11-09 19 13 02) こんなお兄ちゃんがいたらなぁ -- ぷち (2015-12-21 16 13 40) 優みたいなお兄ちゃんがほしい!!! -- ゆっぴーな (2015-12-21 19 37 49) 優くんみたいな義兄さんがほしい(わたしにはおねえちゃんがいるので。)雛ちゃんみたいな妹がほしい・・・・最高の兄妹っ!!!いい曲です! -- komi (2016-01-10 14 54 25) こんな妹とこんな兄が欲しい!ハニワさんさいっこうです!(*`A´)/ -- 合田美桜 (2016-01-25 21 23 07) いーなぁー -- 名無しさん (2016-01-30 21 17 54) 私もこんなお兄ちゃん欲しい!(・∀・) -- mi (2016-03-07 16 11 18) ヤバい!こんな兄マジで溺愛しちゃう!! -- ひな人形 (2016-03-22 22 46 23) こんなお兄ちゃんほしいんですけどー -- からー (2016-04-14 22 47 22) いいなー -- 名無しさん (2016-04-16 12 27 41) いいなーこんなお兄ちゃん! -- 名無しさん (2016-04-16 12 28 21) 優みたいな兄がほしい(兄いるけど) -- なっつん (2016-04-16 18 07 10) 優しいお兄ちゃんがほしいよ -- 死神 (2016-06-18 10 17 32) これがマジカルミライにはいるなんてまじ良いね!! -- 名無しさん (2016-06-18 10 30 23) お兄ちゃんください!ん?でも私には・・・あ、やっぱ撤回。 -- るな (2016-06-30 21 16 27) 優みたいなお兄ちゃんが欲し~~~~~~~~~ -- 菜々夏 (2016-07-31 11 17 59) かわいい妹が欲しいーーーーー! -- onomatope (2016-07-31 18 36 26) うちもこんな平和だったら… -- 蒼空 (2016-08-04 22 41 30) 雛ちゃん欲しい!可愛い!優はいい妹がいていいなー -- K (2016-09-25 06 22 59) 良い良い!!!良いなぁ優しいお兄ちゃんあぁ幸せすぎる -- ひなるん (2016-11-14 22 04 55) うちの妹とお兄ちゃんを変えて欲しい(笑) -- ゆう (2016-11-20 23 07 30) こんな可愛い妹と、優しいお兄ちゃんが欲しい・・・。 -- 黄色王子 (2016-12-26 05 27 10) こんな兄妹憧れるー! -- 告白実行委員会LOVI (2016-12-30 21 45 56) いいなぁいいなぁ、かっこいいお兄ちゃんほしーわ〜□ -- ひなっぺ (2017-01-30 18 44 31) もう、サイコー! -- あかり (2017-02-05 10 58 03) お兄ちゃん欲しい -- りりり (2017-03-23 11 09 05) 僕が一番上だけどこんな兄になれそうもない -- 五月 (2017-04-07 09 28 21) やっぱり上が男子の下女っていいよなぁ…兄妹愛してるぅ!w -- むかしむかしのきょうのこと (2017-06-21 20 09 41) めっちゃいい!一人っ子が辛い…お兄ちゃん欲しい! -- ゆーり (2017-08-28 17 54 35) やばい兄が二人いるのにこんなのになんなんわ -- 繧、繝ォ繧ォ成 (2017-10-29 07 33 10) 実兄がいるけど、こんな兄いない…。よく考えたら、自分の初恋の人と性格が似てるなぁ。 -- Rui0201 (2017-10-29 14 03 41) 俺こんな良い兄になれるかな?…無理っぽい -- ハヤト (2018-01-15 21 20 28) 妹、、、いいなぁw -- 雷兎 (2018-01-20 20 36 21) 優と雛、かわいいー(*ノ∀`*)( *´艸`) -- エド (2018-03-08 21 20 24) 素敵ぴょん -- リリ (2018-04-21 23 03 09) 二次元会いに行きたい〜 -- クーへぇ (2018-04-21 23 09 14) ハニワマジ神 -- 名無しさん (2018-11-14 15 21 15) こんな兄妹いいなぁ -- 名無しさん (2022-10-20 14 47 36) 3DSの初音ミクのゲームでめちゃくちゃやってたな -- 名無しさん (2023-09-01 13 10 49) 名前 コメント
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647 名前:埼玉は滅亡しているか【SS】前編:2013/05/13(月) 00 38 14.83 ID CUJ9zZ4jO 例のツイッターをネタに書いてみました。埼玉関係ないですね(笑) 温かいお布団を抜け出ると、そこはまるで北国だった。 「なにこの寒さ、尋常じゃないんですケド」 急いであたしはエアコンをつける。少しずつ暖まる部屋の中。 「んーでもあいつのじゅーでんに比べたらイマイチだな」 昨夜は(も)、例によって足りないものをじゅーでんでたくさんたくさん補ってもらったのだった。そういやあいつはどこにいるんだろ? 「おう、お目覚めだな」 「母さん、お早う」 「おはよう。て、何これ? すごい雪じゃん!」 庭に出ていた京介と涼介の後を追ってみると、そこは一面の雪景色だった。 「しゅごーいぃ!!!」 けたたましい声に振り向くと、愛娘の優乃が興奮冷めやらぬ顔で外を見やっていた。 「おい優乃、ご近所迷惑だろ。静かにしろよ」 「ぶー。だってお兄ちゃん、こんなすごい雪を見て興奮しないわけがないじゃん」 「分かったから早く着替えろよ。その格好じゃ風邪ひくぞ」 「はいはい。って、それ急げー」 寝間着姿のままだった優乃は部屋に駆けていく。 「しかし、俺もお前たちも皆休みでよかったよなあ」「ああ、こんなんじゃバスも電車もまともに動かないだろうから。学校休みでよかったよ」 「おまたせー。」 「だからうるさいぞ」 「へっへっへー。それでは大雪を記念して、家族皆で雪遊び大会を行いまーす!!」 「やれやれ聞いちゃいない」 涼介のため息を尻目に優乃は何やら語り出した。て、それは…… 「関東には雪が降っていた 越谷あたりまでくると街がすっかり雪の下に その真っ白い平原に たくさんの魔物たちが徘徊している……」 「ちょ、優ちゃんその話って」 「ああ、この話はその昔きりりんって美少女中学生作家さんが書いた痛いショートストーリーなんだ」 「ぷぷっ」 傍らで思わず吹き出す京介。てか、そこは笑うとこじゃないから! 「へえ、おもしろそうじゃないか。優乃続けろよ」 いやいや涼ちゃん、そこはさっきみたいに優ちゃんの暴走を止めるとこなんだけど…… 結局優乃は、かつてネット上で一大反響を巻き起こした名(迷)作を最後まで朗読し続けたのだった 「なんかすごい話だったでしょ。でもね……」 それまでの笑い顔から突然真顔になる優乃 「わたしは、この最後の『みんなで雪の上に 大きな妹の絵を描こう』ってところに、何かこう、ぐっときちゃったんだ」 「優ちゃん……」 「きりりんさんは、それまでぶっ飛んだ内容ばかり書いてたのに、なんでここでまじめに妹を可愛がるお姉さんに戻ったんだろう?」 648 名前:埼玉は滅亡しているか【SS】後編:2013/05/13(月) 00 39 39.22 ID CUJ9zZ4jO 「……あのね優ちゃん。きりりんちゃんも、子どもの頃、 優ちゃんみたいに大雪が降った時にとても嬉しかったことがあったんだよ」 あたしは意を決して語りだす。 「きりりんちゃんにはお兄ちゃんがいたの。めったにない大雪だから、きりりんちゃんはお兄ちゃんと遊びたくてたまらなかった。 でもね、結局きりりんちゃんはお兄ちゃんと遊べなかった。二人はしばらく前から疎遠になってしまってたから……」 「せっかくの大雪。きりりんちゃんはね、お兄ちゃんと遊びたくて仕方なかったんだよ その時の思いが、後になってもきりりんちゃんの心の片隅に残っていたから、 大雪が降ったらお兄ちゃんと一緒に雪に大きな絵を描きたかったから…… だからきりりんちゃんはその事をモチーフにしたお話を書いたんだ」 あれから何年もの月日が流れた。兄貴、京介とはなんだかんだあった後に、また仲良くなれて今の生活に至ってるわけだけど、 子どものときに見た雪景色は、なかなかあたしの前に姿を見せることがなかった。 でも今、それが目の前にある。優乃の語りだした話が、あたしの昔の、そしてさらに昔の思いを甦らせていく…… 「そうだったのか。知らなかったよ。馬鹿兄貴は、きりりんちゃんにつらい思いをさせてたことを謝らないとな」 京介が、いつもの優しい手のひらであたしの頭をなでる。それで、あたしは何だかたまらずに涙が込み上げてきた。 「全くお父さんったら、お母さんを泣かしたら駄目でしょ」 「わるいわるい。よし、桐乃が涙を拭いたら皆で雪の上に絵を描こうぜ」 「それじゃあ、まず俺が雪の上にへちゃむくれな妹の絵を描いてみよう」 「何それ、ひっどーい。お父さん、お兄ちゃんに言ってやってよ。『お前の可愛い妹がそんなへちゃむくれな訳がない』って」 わいわいがやがやと騒ぎ立てる皆を見てると、涙は自然に止まっていた お布団の中でのじゅーでんとはまた違った暖かさが、あたしの身体を包みこんでいくのが分かった 今のあたしは、とってもとっても幸せ 今なら この一家 世界中のどんな一家にも勝てるんじゃね? 今こそ 昔できなかった分まで おもいきり京介と そして涼介と優乃と遊ぶべき さっそく みんなで 庭でおもいっきり 遊ぶとするよ 『みんなで雪の上に 大きな家族の絵を描こう』 ----------
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284 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 52 01 ID qa1yn+0V 私が兄貴への思いを告げられずに、鬱屈した日々を送り続けて何年がたっただろうか。 窓の外を見れば、マンションの真下から藻岩山のてっぺんまで、この北の街は一面の雪景色に染まっている。 もうすぐ冬の街で始まるであろう恋人たちの季節。朝のニュース番組が盛んに喧伝するそれに私は一抹の嫉妬と侮蔑を込める。 「何がクリスマスイブのデートスポット情報だっつの、お台場ごと吹っ飛べ。畜生」 兄貴はカリカリになるまで焼いたベーコンを口に含みながら毒を吐く。 「モテないからって変な嫉妬しないの」私はトーストに白桃のジャムを塗る。 父さんは何も言わずに、黙々とバターを塗ったトーストを齧っていた。 やがて父さんはトーストとベーコンエッグの朝食をすべて食べきると、椅子にかけてあったコートを羽織りはじめる。 「今日、少し遅くなる」父さんはそう言って鞄を取ると、食堂の外へと出て行った。 どうせまた、母さんのところだろう。 本人曰く「終業時刻になると仕事が残っていても強制的に終わらせられる」職場に務めている父さんが遅くなると言うときは、決まって母さんのお墓に行く時だ。 父さんはよく母さんのお墓に行く。 なのに、それでもたまに母さんがそこにいるのように振舞う。 兄貴は父さんが静かに狂ってると言っているが、私はちがうとおもっている。 父さんはきっと、今もずっと母さんのことを愛しているんだと思う。 だから、母さんを忘れたくないがために、いつまでも母さんを感じれるように振舞って、母さんを愛していると言う事実を深く刻んでいるのだろう。 まるで手首を切って生きている証を刻みつけるように、そうやって生々しく母さんを刻みつけて、絶対に母さんを忘れないようにしているんだ。 私にはうっすらとだが、父さんの考えていることはわかった。 決して叶うことの無い、切なすぎる片想い。父さんは、私なんかよりもずっと深い悲恋を抱えているのだ。 「そら、俺たちも行くべ」 兄貴は私の分の食器も軽く流しで洗うと、食器洗浄機の中に突っ込む。 そして私たちはコートを羽織って家を出ると、すっかり冬の様相を呈した、雪の街へと踏み出した。 今日は十二月二十四日。世間ではクリスマスイヴとカップルたちが大手を振って闊歩するためのような日だが、私たちにとっては終業式と言う嬉しいイベントを兼ねた日でもあった。 夜のうちに積もった新雪を踏みながら、私たちは電停にたどり着く。 「兄貴」私は裸のまんまの兄貴の手を、きゅっと強く握った。「手ぇ、寒いでしょ」 「ん、ありがと」兄貴は頬を染めながら答える。 ここ数カ月で、兄貴は完全に私のことを異性としてみてくれるようにまでなっていた。 私の裏工作の賜物なのか、それとも元から私を異性として受け止めていてくれたのかは分からないが、私にとっては嬉しい半面、なぜか、どこか寂しい感じもしたのだった。 やがて、眩しいほどに朝陽を受ける雪を舞い上げて、深緑色のの連接車が滑り込んでくる。 私は兄貴の握った手を離すこと無く、連接車へと乗り込んだ。 285 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 53 17 ID qa1yn+0V 「冴えない顔だな、千歳」 今年最後の放課後、まだ賑やかな教室の俺の席の付近の蒸気暖房に寄りかかっていた健史が言う。 「ああ」俺はふるふると手を振った。「センター試験が近いのが憂鬱でな」 「……それでもお前は第一志望C判定だろうが」 「C判定だからこそどう転ぶか怪しいんだよ……」 健史はぐっと伸びをして、蒸気暖房から体を離すと千歳の席の前を離れていった。 「……はぁ」俺は深くため息をつく。 センター試験、受験、そしてそらの事。俺の中での問題は山積みだ。 特に深刻なのはそら。 あいつはきっと完全に俺を異性としてみているのだろう。ここ数カ月の態度が、何よりの証拠だ。 そして、俺自身もそらを女として見始めている……。 『人を裏切るのは妹とセックスするようなものだ』 少し前にテレビの洋画劇場でやっていた、コメディ映画の主人公が確かそう言っていた。 有名洋画のパクリとバカらしい演出だらけの映画の中で、俺は主人公が真剣な様子で言ったそのセリフだけが何故か印象に残っていた。 直訳すれば、妹に恋愛感情を抱くようなヤツは人間の屑だ。と言うこと。 俺は果たして屑なのだろうか。それとも人間として踏みとどまっているのだろうか。 窓の外を見ると、白に染まった校門と電車通りがあった。ああ。深緑色のボギー車が今電停についた。 俺は配られたプリントを全て鞄に突っ込むと、席を立った。 無性にどこかに行って、静かに考えたい。そんな気分だった。 昇降口と校門を抜け、電停の前の赤信号で立ち止まる。 まるでタイミングを合わせたように、道路の端の方から路面電車が雪の電停めがけてゆったりと走ってくるのが見えた。 やがて信号が青に変わり、電停へとたどり着いた俺の目の前に深緑色の丸っこいボギー車が止まった。 俺は電車に乗り込み、まるで屍肉を見つけたハイエナのごとく我先に空席へと群がる生徒を横目に、つり革へと手を伸ばした。 電車はいくつもの電停に停車を繰り返し、ふと俺が気がつけば既に終着であるすすきのの電停に停車していた。 「全線定期券でよかった」 俺は電車を降りると、当てもなく、単に小腹がすいたと言う理由でそのまま近くのマクドナルドに足を運んだ。 どこかの動画サイトでさんざっぱらネタにされ続けてるピエロのポップに出迎えられると、俺はそのままカウンターの前へと進む。 「ホットアップルパイとフィレオフィッシュ。あと水ください」 俺はそれらを抱えて二階の客席へと上がっていく。 客席は多くの席がうまっており、中には同じ制服の連中も何人か混じっていた。俺は適当な席につくと、チーズバーガーの黄色い包みを開けて、噛り付く。 少し安っぽい味が口の中に残った。 「やっぱこんなんじゃそらの作る昼飯にはかなわんか……」 もしかすれば今頃そらは家で俺の分の昼食も作ってるかもしれない。 何も言わないでふらっと出歩くなんて、悪いことをしたな。そう思いながら俺はチーズバーガーを食べ切り、そのまま次のフィレオフィッシュへと手を伸ばす。 「あれ?千歳さん?」 フィレオフィッシュを半分ほど食べたところで、俺は突然声をかけられる。 見上げると、同じようにトレイを持った眼鏡の少女、里野藍がそこにいた。 286 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 53 43 ID qa1yn+0V 「ふぅ……」 路面電車から降ろされた俺は、電車通りから裏通りへと入ってゆき、古ぼけたマンションの玄関をくぐる。 西日のせいで仄暗い共用のホールを過ぎると、いつも通り重苦しい雰囲気の、密かに俺が『囚人護送用』と呼んでいるエレベーターに乗り込んだ。 階数ボタンを押して扉を閉めると、エレベーターはゆっくりとした速度で、本当に死刑台に囚人を送り出すかのように昇っていった。 「せつないよぉっ……! あにきぃっ……もっと……っ!」 私のエッチな声が昼下がりの居間にわんわんと響いている。 指は次々に私の弱点を攻め上げて、時には酷く乱暴に引っ掻き回す。 だが、そんな痛みも、私の快楽と切なさにふやけた頭が、妄想の中の兄貴が与える快感に変えてしまう。 「もっと……もっとはげしくしてぇっ……!」 私の言葉通り、私の指の動きは激しくなる。 「ああっ! いいよぉっ!!」 もう私は、まるでシチューにつけた食パンのように、オナニーの作り出した妄想にじっとりと浸っていた。 それと同時に私の頭はこの虚しくも素晴らしい世界を維持すべく、触覚と快楽神経以外の外の世界へ通じる全ての感覚器官をシャットアウトしてしまっていた。 『囚人護送用』エレベーターはすぐに我が家の階に到着した。 窓の一つも無いために、真昼でも酷く薄暗い廊下を革靴を鳴らして歩いてゆく。 そして我が家の、これも刑務所のごとき重い鉄扉を開ける。 いつもならばそらがゲームでもやっていて、その音が玄関の方にまで漏れてくるのだが、今日だけはそれは違った。 「あにきぃっ……おにいちゃん、おにいちゃぁんっ! わたし、もうだめ、もうだめだよぉぉっ!!」 ラストスパート。指はこれでもかと言うまでに私の女の子の部分を磨り上げ、指が食い込むほどに胸を鷲掴みにする。 ぐちゅ、ぶちゅとひどくえっちな音が耳元で何度も鳴り渡る。 「おにいちゃぁぁんっ! すきっ! すきぃっ! だいすきぃっ!」 そう叫んだ矢先に、私は声にならない絶叫を上げながら、自分でも驚くほどに激しく悶えながら果てた。 最終区間を走りきった駅伝ランナーのごとくはぁ。はぁ。と肩で息を切りながら、私はソファに横たわったまま天井を仰ぐ。 そこにはいつもと変わらない、ヤニのせいで薄黄色く変色した天井と、プラスチックカバーの黄ばんだ照明があるだけだった。 どさ。 廊下の方から聞こえた突然の物音に、私は勢いの付いたワンタッチ傘の如く飛び上がった。 私の視線の先にあったのは、何が起こったのかわからない。いや、何が起こっていたのかは理解できたが信じられない。と言わんばかりの、呆気に取られた顔で立ちすくむ兄貴の姿と、どうやら音の主らしい、床に落ちた兄貴の鞄。 オナニーのあとの、虚しさを伴う余韻もあってか、私の頭は混乱することも、戸惑うことも無く、ただ酷く冷めていた。 「いや、見るつもりは無かったんだが、どうも凄い声がしたんで来てみたら……」 兄貴が必死の弁解を手を振って遮ると、私ははだけ気味だったブラウスをそのまま脱ぎ捨てる。 「兄貴、全部聞いてたでしょ」 ぱさり。とブラウスの落ちる音。 そして私はそのまま無防備な兄貴に抱きついた。 「そうだよ。兄貴も絶対気づいてたと思うけど、私ね、兄貴のことが男の子として好きなの」 兄貴は嫌悪感が混じる顔をそっとそらす。対する私は兄貴の顔をじっと見つめていた。 「もちろん兄妹で好きあったりエッチしたりするのはのはいけないことだってわかってるし、私のこと気持ち悪い妹だって思ってるかもしれない。だけど私は兄貴が、お兄ちゃんが大好きなの! お兄ちゃんがいいの! お兄ちゃん以外じゃダメなの!」 次々に私の口から吐き出される、包み隠すものも無い率直なまでの本音。 「そら……」 「お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃんっ!」ぎゅうっ、とお兄ちゃんの背中に私の指が食い込んでゆく。 口火を切ったように、私の中で感情がのたうち回って暴れてゆく。 もうその激流は私にも止められなかった。 「お兄ちゃん、もう私の気持ちはわかったと思うんだ。だから、ずっと思ってたこと……していいよね」 私はお兄ちゃんの耳元でささやく。 「エッチ……しよ」 287 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 54 36 ID qa1yn+0V そこから先はまるで全自動だった。 俺はそらの言葉のとおりにそらの体を包む制服のスカートと下着を剥ぎとる。 何年かぶりに見たそらの体は、あまり肉付きは良くない、小ぶりで、乱暴にしてしまえば壊れそうな印象を受けた。 俺はそらのつつましい胸に手を当てる。 俺の頭の中に罪悪感とか、道徳観念とか、そういうものは不思議と浮かばなかった。 このとき北見千歳と言う男の中は、先程俺に「好き」を連呼させてみせた妹を受け止めてやろうとする父性と保護欲、そして少しばかりの好奇心と性欲の混じった、よくわからない感情でいっぱいだった。 「ぁっ……」そらがかすかな嬌声を上げる。 俺はその生めかしいとは程遠い、切ない声をあげる林檎色の唇を自身のそれでふさいだ。 お互いに舌を入れたり、とかそういう技巧なんてなく、ただひたすらにちゅう、ちゅう、とお互いの口内を貪ることだけに夢中になっていた。 「はじめてのキスはレモンの味っていうけど」そらは、混ざり合ってどちらのものか分からない唾液のたれた唇を開く。「お兄ちゃんのキス、りんごの味がした」 「そりゃさっき食ったホットアップルパイの味だ、バカ」 「お兄ちゃんは私のキス、どんな味がした?」 「……ケチャップっぽい味だった」 「それ、お昼のチキンライス味だよぉ」 そらは、俺も今までに何度かしか見たことの無いような、最高の笑顔で、俺に笑ってみせた。 「キスって、癖になっちゃうかも」 そして、そらは唯一そらの体を守っていたショーツに手をかけた。 「うわ、ぐっちょり……」 脱ぎ捨てたショーツがフローリングの床に、ぺしょ。と水っぽい音を立てて落ちる。 目の前のそらは、産まれたままの格好で、はにかむように上目遣いで俺のことを見上げてきた。 「どう……私のハダカ、きれいかな」 俺は、ああ……としか答えられない俺自身に正直ムカついた。 「じゃ……するね」 そらは俺のスラックスのジッパーに手をかけると、それを一気におろして、中に手を入れる。 やがてお目当てのものを見つけて手を引き抜くと、ひんやりとしたそらの手に収まった少しばかり大きくなり始めた俺のものが顔を出す。 「これがお兄ちゃんの……」 手のひらで包み込まれながらも肥大化するそれを、しげしげと眺める。 さっきまではちょっとだけかわいいかも。と思ってたお兄ちゃんのおちんちんはむくむくと膨れ上がり、私の手に収まりきらなくなるほどまでになった。 「こんなのが私の中にはいるんだ……」 そう考えただけで、下腹部がきゅぅっ。と反応する。 ちょっとしたコンプレックスになってる、ぷっくりと膨らんだ股間の裂け目からは、お兄ちゃんが欲しい、欲しいとだらしなく涎を垂らして待ち焦がれている。 いつの間にこんなえっちな体になったんだろうか……正直すぎる体に私は自嘲する。 ちょっと調子にのって、私は猫なで声でお兄ちゃんに言った。 288 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 56 09 ID qa1yn+0V 「お兄ちゃん、ほら。いつでも大丈夫だよ」 「大丈夫……って」戸惑うお兄ちゃん。その仕草も、全部が可愛く見えてしまう。 私はお兄ちゃんを更にからかってみる。 「お兄ちゃんは普通に私の上になってしたい?それとも私が上になった方がいい?」 お兄ちゃんは赤面しながらああ、とかうう、とかしどろもどろになっている。 「私は、私が下になった方がいいなぁ」 そう言って私はごろんとソファに寝っ転がる。 そして手を軽く握って前に出し、足を広げて、足の付根の小高い丘を見せつけるようにした。 「えっへへ、ふくじゅーのポーズ……」 犬が自分より格上の相手に服従の意を持ってみせるポーズ。 もし私に犬の尻尾があるなら、千切れるくらいにぶんぶん振ってるに違いない。 お兄ちゃんは顔を真赤にして視線をそらしたが、おちんちんだけは正直にびくん、びくんと私の痴態に痙攣する。 「……本当にいいんだよな」 「全然大丈夫だよ」 「避妊とか大丈夫なのか?」 お兄ちゃんはまだ心配そうに聞いてくる。 「今日危なくない日だもん、全然大丈夫だよ」 大体、お兄ちゃんの赤ちゃんなら妊娠したいくらいだよ。と私は心のなかで付け足す。 「じゃ……いくぞ」 その宣言とともに、お兄ちゃんは私に覆いかぶさり、おちんちんが私の入り口にあてがわれた。 ずぷずぷ、とおちんちんは吸い込まれるように私のお腹の中に吸い込まれて行く。 だが、お腹の中の引っかかる感触と共に、途中でおちんちんは動きを止めた。 「これが……処女膜ってヤツか?」 「うん……たぶん」 破っていいよ。と私はお兄ちゃんに告げる。自分で誘っといてここでやめちゃうのも卑怯だし、なにより私の初めてはお兄ちゃんに破って欲しかった。 ずんっ! と付き入れられる感触。 そして、おなかが千切れそうなほどの激痛。 「―――――――――ッッ!!」 余りの痛みに私は声にならない声で叫んでいた。 「大丈夫か?」 「ものすっごい痛い」私はものすごい涙目で、呼吸を荒らげながらお兄ちゃんを睨んでいた。 マンガとか体験談だと処女でもそんなに痛そうな感じも無くイチャイチャエッチしてたのに、やっぱりすごく痛い。嘘つき。と叫んでやりたかった。 「でも……続けてくれなきゃやだ」 「本当に大丈夫なのか?」本当に心配そうなお兄ちゃんの声。 「痛くても……我慢するから……!」 こくり、と心配そうな顔を立てに振るお兄ちゃん。 そして腰の抽送がスタートされる。 破けた膜にいちいちおちんちんが引っかかり、お兄ちゃんが動く度に顔をしかめてしまう。 (私から誘ったのに、気を悪くしたらやだな……) ゆるやかなピストン運動は徐々に激しくなってゆき、そのうちに痛みもだんだんと薄らいでゆく。 正直、結構時間が経過してもまだ痛かった。それでも下腹部からじんじんと伝わってくる熱が、私に一匙の幸福感を投げかける。 「ぁっ……っ……」 ぐちゅ、ぐちゅ、とはしたない水音。ぱんぱんと腰のぶつかり合う音。そして私とお兄ちゃんの押し殺したような吐息。静寂に満ちたリビングは、私たちのエッチな音で占領されてしまっていた。 289 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 56 35 ID qa1yn+0V 「く……」 ごつごつとおちんちんは私の一番深いところをノックし、そのたびに子宮が熱を帯びてきゅうきゅうと震える。 「……そら、もう限界……」兄貴はばつの悪そうな顔で、私の中からおちんちんを引き抜こうとする。すかさず私はお兄ちゃんの上で足を交差させ、ぎゅっとお兄ちゃんを足の間で挟んだ。 「おい、そら!」 「……いいよ……出してもいい!」 お兄ちゃんの背中に手を回して、お兄ちゃんを抱きしめる。 「お兄ちゃん! 好き! 好き! 大好き!」 その瞬間、じゅわっ、と熱くなった下腹部が震え、きゅぅっとお腹が震えた。 「そら、そらっ、そらぁっ!」 「お兄ちゃん! お兄ちゃぁぁんっ!」 そして、お腹が震えたと同時に、私の一番深いところにお兄ちゃんのおちんちんから放たれた熱い迸りが降り注いだ。 「おにぃ……ちゃん……えへ……」 下腹部に感じる多幸感とお兄ちゃんの温かさ、そして行為の疲れの気だるさは、ゆるやかに私を包んでゆく。 今はずっと、このままでいて欲しかった。 290 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 57 13 ID qa1yn+0V 窓の外では茜色の陽が名残惜しそうに夜の世界へとかき消されてゆく。 そらはいつの間にか普段着に着替えて、台所に立っていた。 俺はといえば、リビングの真ん中で、ぼおっと夕方のワイドショーを何の気なしに眺めていた。 内容なんて全然頭に入ってない。 ただ、怖かったのだ。 流されるがまま、そらと結ばれてしまったと言う事実が。 もしそらが俺の子を妊娠していたらと言う仮定が。 今更俺にそらを拒絶することなどできない。いや、する資格がないし、できたとしても絶対にできやしない。 俺に拒絶されたそらがどうなるかなんて、絶対に俺は見たくない。 だが、俺にそらをこの世界の正義とそれに便乗した悪意から守れるだけの強さがあるかといえば、そんな強さも無い。 むしろ俺の方が逃げ出したいぐらいだ。 『人を裏切るのは妹とセックスするようなものだ』 ああ、そうさ。俺は裏切り者さ。 妹とヤっておきながら、その責任も取れないような最低の裏切り者さ。 だからなんだよ畜生。どうすればいいんだよ。 そらを捨てて逃げろってか? 「兄貴?」そらが顔をのぞき込む。「どうかしたの?」 どうかしたって?お前のせいだよ!そう叫びたかった。 「いや、何でもない」俺は立ち上がると廊下へと続く扉の方へと向かう。「ちょっと部屋戻ってる」 「うん……」 鋭い針を突き刺すように冷え込んだ廊下を早足で抜け、自室の扉を開くと、俺はそのまま電気も付けずに自分のベッドに潜り込んだ。 何も思わずにベッド脇に眼を移すと、愛用のDSが枕元に放り出されている。 「そういや、ちょっと前までよく協力プレイとかしてたっけ……」 つい何ヶ月か前、そらと俺がまだ普通の兄妹だった時期。まだそれほど経っていないはずなのに、酷く遠く、懐かしい時期。 「いったい、どこで間違ったんだろうな」 俺は枕に突っ伏す。 何分経っただろうか、外の明かりだけに照らされた薄暗い部屋の中に、くぐもった振動音が響く。 携帯のバイブ。俺はベッドから降りると、机の脇に放り出されたバッグを開ける。案の定音の発信源は俺の携帯だった。 すぐさま携帯を開くと、痛いほど明るい液晶画面に記された「着信 里野藍」の文字。 俺はすぐさま電話を取った。 291 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 59 22 ID qa1yn+0V 「兄貴ー」私は一通り料理を作り終えると、兄貴を呼びに行く。 兄貴と結ばれた。ようやく兄貴に思いを伝えられた。私はもう上機嫌だった。 寒い廊下もものともせずに、一路部屋まで足取りも軽く歩いてゆく。 部屋のドアは閉まっていた。 「あー……」ドアをノックしようとしたその時、ドアの向こうから聞こえる話し声。 電話してるんだ。私はノックしようとした手を収めた。 「ああ……やっぱそうか……うん。じゃあ、そらには黙っておいてくれよ」 私のこと?兄貴は誰と話してるの? 「それじゃ、色々とありがとう。里野」 もしかして、電話の相手って藍? いったい何の話をしてたの? 私ははやる心を抑えながら、数秒ほどおいて、ドアをノックした。 「兄貴、ご飯だよ」 おー、今行く。と兄貴の声。 何の電話だったんだろうか……と私の心の中は、少しだけ、ざわついていた。 292 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 59 51 ID qa1yn+0V ご飯の後、兄貴がお風呂に入ってる間を見計らって私は携帯を取り出す。 リビングの時計はもう九時を少しばかり回っていた。 電話帳の「里野藍」の文字を押し、通話コールを聞かされること数十秒。 『はい、里野です』 「私、北見そら」 ああ、そらちゃん。といつもの調子で電話の向こうから帰ってくる藍の声。 「ちょっと聞きたいことがあったんだけど」私は少し声を強めた。 『何?』 「さっき兄貴と何電話してたの?」 『え?千歳さんに借りてた本の話……』 「嘘」 ぎり、と歯ぎしり。電話を持つ手にも力が入る。 「私に内緒って言ってたの、聴いたんだから」 え?と藍は戸惑ったように電話口でうそぶいていたが、すぐに声が帰ってくる。 『なぁんだ、わかっちゃってたんだ』 「いったい何の話してたの! 答えて!」 『べつに?』楽しそうな藍の声が電話口ので踊る。『ただ、ちょっとかわいそうな千歳さんを慰めてあげただけですよ』 「かわいそう?」 『うん。実のお兄さんのことが大好きな気持ちの悪い妹に初めて奪われた挙句既成事実まで作られたって困ってたから、それを慰めてあげてたんです』 私は言葉を失った。 全身から血が引いてゆく、貧血の時に体が冷える嫌な感じが私の全身を包む。 その間にも電話口の藍の声は嬉々として残酷な言葉を綴る。 『千歳さんのこと思ってお兄ちゃん、お兄ちゃんってオナニーしてたんでしょ?千歳さん本当にそらちゃんの事嫌がってましたよ。 だからわたしが言ってあげたんです。千歳さんを慰めてあげて、そらちゃんの事なんか忘れさせてあげますよって言ったら、千歳さんすっごい喜んでましたよ』 うるさい。 うるさいんだよ。 『まぁ、千歳さんはそんなワケで私がいただきますから、そらちゃんはひとり寂しく泣きながらでもオナニーに勤しんでて下さいよ』 うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい 「……るさい」 『へ?』 「うるさい! 黙れ畜生!」 私は人生で一番の大声を出したんじゃないかと思うような叫び声を通話口に叩きつけ、乱暴に電源ボタンを押して、通話を切る。 そしてそのまま私は携帯電話をソファに叩きつけた。 ホワイトパールの携帯電話はぽうんとソファの上をバウンドすると、そのまま軽い音を立てて床に落ちる。 荒い息を立てながら、私はやり場の無い怒りを抱えて、その場に立ち尽くしていた。 「おい! どうしたんだそら!」 叫び声を聞いて、パジャマ姿で慌てて飛んでくる兄貴。 私は兄貴をこれ以上無いまでに敵意を込めて睨みつける。 「……どうしたんだ?」 「……何でもない」 「何でもないって……あんな大声出してて何でもない訳ないだろ」 「関係ないでしょ! 兄貴には!」 私は兄貴の側にまで詰め寄って、パジャマの襟を引っつかんで、引き寄せた。 「こんな気持ち悪い妹、嫌なら構わなきゃいいじゃない! 私なんか消えればいいんでしょ! 消えればすむんでしょ!」 は?ととぼけたふりをする兄貴。 白々しい。余計に怒りが湧いてくる。 「もういい! 兄貴の望みどおり私は消えてやりますから! どうぞ後はご勝手に藍にでも慰めてもらえばいいじゃない!」 一通り叫び終えると、私は落っこちていた携帯を持って部屋に帰っていった。
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336 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(1)】 sage 2009/08/12(水) 22 05 45 ID /XwQeyrG 「――きょうも帰りは遅くなると思うから、戸締りと火の元、しっかりね」 母親に言われて、葉月(はづき)と奈月(なつき)は胸を張った。 「はーい。任せておいて、ママ」「……おいて、ママ」 「お兄ちゃんは、妹たちをよろしくな」 父親に言われて、太地(たいち)は、ぎこちなく頷く。 「ああ……、わかった……」 「じゃあ、いってきまーす」 「いってきます」 手を振る母親と父親に、葉月と奈月は笑顔で手を振り返し、太地もためらいがちに手を上げてみせる。 「いってらっしゃーい」「……しゃーい」 「いってらっしゃい……」 両親が玄関を出て行き、ばたんとドアが閉まった。 「……さて、お兄ちゃん?」「……ちゃん?」 葉月と奈月が左右から、太地の顔を見上げて、 「きょうこそ《エレクトプリズム》を守り抜いてもらうからね」「……からね」 心の底まで見透かすような美貌の双子の眼差しに、どぎまぎしながら太地は頷く。 「あ……、ああ……」 葉月と奈月は妖精さながらの美少女であった。 さらさらの栗色の髪をツーテールにして、葉月は黄色の、奈月は白のリボンを結んでいる。 小作りな顔に、部屋着の白いワンピースから伸びる、すらりと長い腕と脚。 均整のとれた身体つきだが身長そのものは一四四センチしかない。 睫毛の長い、ぱっちりとした眼。深い湖のような紺瑠璃の瞳。 小さくて、かたちのいい鼻。艶やかで健康そうな桜色の唇。 その二人が――しっかりと左右から太地に腕を絡めてきた。 小さくてやわらかで温かな身体。ほのかに甘いシャンプーの残り香。 「わかってる、お兄ちゃん?」「……ちゃん?」 葉月と奈月が、太地の顔を見上げて言った。 「いつまでも妹だからとか遠慮は無し。これは三人のためだよ、お兄ちゃんと葉月たちの」「……奈月たちの」 「ああ……、わかってるよ……」 太地は頷く。 身に沁みて、よくわかっているのだ。 四つも年下の六年生――しかも実の妹に「そういうこと」をさせなければならない自分の弱さは…… 太地たちの母親、天野卯月(あまの・うづき)は声優であった。 二十年ばかり前には『魔法のお嬢様バブリィメロン』という魔女っ子アニメの主役として大人気を集めた。 現在はそのリメイク版で主人公メロンの母親役を演じて好評を博している。 そして、太地たちの父親、陽平(ようへい)はマネージャーとして公私両面で卯月を支えていた。 収録日には二人揃って出かけて、帰宅は深夜か翌朝になる。 その間、太地は妹たちとともに留守番だ。 妹たち――すなわち双子の葉月と奈月。 そして、もう一人――二つ年下の美月(みつき)だ。 太地は双子に両腕をとられたままリビングへ連れて行かれ、押し込むようにソファに座らされた。 葉月と奈月が前に立って、兄の顔を見下ろす。 「美月お姉ちゃんが補習から帰って来るまでが勝負だからね」「……だからね」 太地は渋々と頷く。 「ああ……、わかってる」 337 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(2)】 sage 2009/08/12(水) 22 06 59 ID /XwQeyrG 「お兄ちゃんには、どこにも行ってほしくないんだから葉月たちは」「……奈月たちは」 「わかってるよ……」 「お姉ちゃんが『してる』ようなことは、あと半年で誕生日が来ればできるよ葉月たちも」「……奈月たちも」 「うん……」 「しかも、こっちは二人で『して』あげるんだよ葉月と奈月が」「……奈月と葉月が」 「ああ……」 「だから、いまはハダカを見せるのと手とクチで『する』ので我慢だよ、お兄ちゃん」「……ちゃん」 「うぅっ……」 太地は気押されたように、こくこくと頷く。 葉月と奈月の真っすぐな視線が怖かった。二人は決して、兄を信用していない。 双子は眼を見交わし、頷き合った。 そして、二人揃ってピンク色の腕時計をはめた左手を顔の前にかざした。 さながら魔法少女か特撮ヒーローの変身ポーズ。 実際、玩具じみた腕時計は『バブリィメロン(リメイク版)』の劇中に登場する変身グッズそっくりだ。 六年生にして魔女っ子アニメのヒロインごっことは幼稚なようだが――しかし。 「「イイノノセセンントト・・ププリリズズムム・・パパワワーー!!」」 声を揃えて叫ぶと同時に、玩具の筈の腕時計が眩く白い光を放った。そして、 「「テテイイクク・・オオフフ!!」」 次のかけ声とともに、光が葉月と奈月それぞれの全身を包み込む。 「……うわっ!?」 たまらず太地は顔を背けた。 やがて光が和らぎ、太地が恐る恐る、視線を戻すと―― 葉月と奈月が妖精の美裸身を晒していた。 慎ましやかに膨らみ始めた幼げな乳房、その頂きの桜の蕾のような乳頭。 小さな乳暈は白い肌に溶け込みそうなほど淡い色。 衣服を身に着けていないおかげで脚の長さが際立ち、腰骨の高さもよくわかる。 それが絶妙にウエストのくびれを形作っていた。 双子の妖精は幼児体型など、とうに卒業している(胸の大きさを別にすれば、だが)。 小さく縦長の愛らしい臍。 そして、その下――なめらかな肌が両太腿の間(あわい)へと潜り込む場所。 そこに穿たれた、一筋の柔肉の亀裂。僅かにほころび、濡れ光った桜色の花の芽が覗いているのは、まるで。 幼子から少女への脱皮過程の一端であるかのよう。 しかし、二人とも全裸であるわけではない。 絹のように艶やかで純白な、肘の上までのロンググローブと太腿半ばまでのサイハイソックスを着けている。 首にはチョーカーを着けていた。それぞれの髪のリボンと同じく、葉月は黄色、奈月は白。 その姿は、まるで初夜に臨む妖精の姫君。寝台の上の婚礼衣装。 そう―― 一瞬にして着衣を改めた双子姉妹は、本物の魔法少女なのだ! 「生まれたときは違えども、お兄ちゃんと葉月は」「……奈月は」「「魂の三つ子!!」」 アニメの魔法少女の口上そのままに、声を揃えて双子は叫ぶ。 「「死すら我らを別つことなし!! 来世も再び寄り添わん!!」」 真摯な眼差しを兄に向けて、 「「大地を照らす月、ルーミナス☆ルナ!! お兄ちゃんとの絆は永遠不滅!!」」 「あ……う……、うん……」 太地は、かくかくと、ぎこちなく頷く。頷く以外のリアクションなどできはしない。 338 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(3)】 sage 2009/08/12(水) 22 08 10 ID /XwQeyrG 葉月と奈月がソファに片膝をつき、左右から太地に身を寄せた。 「……さあ、お兄ちゃん」「……ちゃん」 双子が頬を寄せ合いながら、兄に唇を合わせる。 甘い吐息の、そして髪と素肌の匂いの悩ましさに、太地は肌を粟立たせた。 ちゅっ、と、音を立てて、ついばむように唇を吸われた。 「お兄ちゃんがホントに好きなのは、葉月たちだよね?」「……奈月たちだよね?」 ちゅっ、ちゅっ、と、左右から唇を吸われて、 「美月お姉ちゃんなんか、無理やり『やられてる』だけでしょう?」「……でしょう?」 「……んんっ……」 太地には否定も肯定もできない。 双子は一方的に質問するだけで、返事を待たずに唇を合わせてくるからだ。 兄の手を片方ずつとって、葉月と奈月は、それぞれ自分の身体へ導いた。 「お兄ちゃんの好きにしていいんだよ、葉月たちの身体……」「……奈月たちの身体……」 右手と左手、それぞれの指先が双子の妖精の秘めやかな部位に触れた。 なめらかでやわらかで火照ったそこに穿たれている肉のスリットを、なぞらされた。 「「……んんんんっっ……!!」」 さらに奥深く指を淹れさせられる。内部は熱く、ぬめりを帯びていた。 ……くちゅっ…… 湿った音が聞こえて、妖精たちは羞恥に頬を染める。 「ああっ……おにぃ、ちゃん……」「……ちゃん……」 すぐに唇を吸われた。そうしながら声を漏らすのをこらえているかのよう。 「「……んんっっ……んんくくっっ……んんくくぅぅっっ……」」 葉月と奈月が、それぞれの空いている手を太地のズボンへ伸ばした。 双子の手が、息の合った動きでベルトを外してしまう。 さらにジッパーを下ろされて前を広げられ、トランクスの上からペニスに触れられた。 「……くぅっ……!」 太地は思わず身をよじる。きつすぎるほど剛直していた。 「お兄ちゃん、選んで……」「……選んで……」 熱っぽく潤んだ瞳で兄を見つめて、妖精たちが告げた。 「葉月がキスしたまま、奈月がクチでするのと……」「奈月がキスしたまま、葉月がクチでするのと……」 「選べないよ……」 太地は首を振りながら答えた。 「葉月も奈月も、可愛くて大事な妹だから……」 美月もまた大切な妹だ、という言葉は呑み込んでおく。双子の前で、それを口にするべきではない。 「じゃあ、最初はふたりで舐めてあげるね……」「……あげるね……」 ちゅっ、と、兄の頬に左右からキスをすると。 葉月と奈月はソファを降りて、床に跪いた。 太地のトランクスの前が開かれ、拘束を解かれたペニスが弾けるように屹立した。 肉茎に隆々と血管が浮き、充血した亀頭が赤黒く照り光った猛々しい男性器官だ。 「お兄ちゃん、すごい……」「……すごい……」 葉月と奈月が顔を近づけてきて、肉茎の根元にキスをした。 そして舌を伸ばし、左右から竿を舐め上げた。 「……ああっ……」 ソファの上で身じろぎする兄の顔を双子の妖精が見上げ、 「ぴくぴく震えてるよ、お兄ちゃんのコレ……」「……コレ……」 339 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(4)】 sage 2009/08/12(水) 22 09 06 ID /XwQeyrG 「葉月と奈月が、可愛すぎるからだよ……」 太地は曖昧な笑顔で言う。 本当に可愛らしく、大切な妹たちに――「こんなこと」をさせている自分が後ろめたくてならない。 「「……んんっっ……んんくくっっ……んんははぁぁっっ……」」 兄の肉竿に舌を這わせる双子の妖精。 上目遣いに太地の顔を見て、 「……我慢しなくていいからね。いつでも出していいよ、葉月たちの顔に」「……奈月たちの顔に」 「うっ……、うん……ああっ……」 太地は、もじもじと腰をよじる。快感がペニスから尻へ突き抜けるかのよう。 妖精たちは舌での奉仕を続けながら、 「大好きだよ、お兄ちゃん……葉月たちだけのお兄ちゃん……」「……奈月たちだけのお兄ちゃん……」 「うぅっ……、葉月……奈月……くぅぅぅぅっ……!」 びくんと大きく、太地は腰を突き上げた。 さらに、びくっびくっと身を震わせて。 ――びゅるるるっ……! 白濁した精が勢いよく噴き出し、葉月と奈月の顔に撥ねかかった。 「はぅっ、お兄ちゃん……!」「……ちゃん……!」 ペニスの先に双子は唇を合わせる。 迸(ほとばし)る精液を口で受け止めようとしているのだが、ペニスを挟んでキスしているようでもある。 奔流が収まり、どろりと最後のひとしずくが流れ出したのを、葉月と奈月は仲良く舌で舐め掬い、 「いっぱい出したね……でも、まだまだだよ……一滴も残さず搾り出さなきゃ……」「……出さなきゃ……」 兄の精液にまみれた顔はそのままに、葉月と奈月は、すっと立ち上がった。 「お兄ちゃん、もう少し腰を前に出して……ズボン脱がせてあげるから」「……あげるから」 「ああ、うん……」 太地は言われた通り、ソファの上で腰の位置を前にずらす。 葉月と奈月は無言の連携で、たちまち兄のズボンとトランクスを脱がせた。さらにシャツのボタンも外し、 「上も脱がせるよ。両手、バンザイして」「……して」 下着のタンクトップまで脱がされて、太地はほとんど丸裸になった。 「裸んぼにソックスだけ……お兄ちゃん、葉月たちとお揃いだね」「……奈月たちとお揃いだね」 双子の妖精が再び左右から身を寄せてくる。肌が触れ合い、温もりを感じる。 だが、和んだのはほんの僅かの間。 なめらかなシルクのロンググローブを着けた指で乳首を転がされ、太地は呻いた。 「……くぅぅぅっ……!」 射精したばかりのペニスが、ひくひくと震える。 まだ堅さを喪っていないそれは、萎えることなく再び剛直することになりそうだ。 「でも、手袋はお揃いじゃないね。お兄ちゃんも欲しい、葉月たちと同じの?」「……奈月たちと同じの?」 「葉月と奈月だから似合うんだよ、そんな可愛い手袋は……くぅっ! ああっ……!」 男の自分が乳首を責められ、声を上げて身悶えている。しかも、実の妹の手によって。 太地は羞恥心と罪悪感に身も心も震えてしまう。 「……お兄ちゃん、可愛がって……葉月たちのオッパイも……」「……奈月たちのオッパイも……」 双子の妖精が膨らみかけの愛らしい乳房を兄の眼前に差し出した。 「うん、じゃあ……最初は葉月から。ごめんよ、奈月……」 ツーテールに白リボンを結んだ奈月に謝りながら、太地は黄色リボンの葉月の乳房に唇を寄せた。 手を触れてみると、ささやかな見かけの割にやわらかだ。 桜の蕾に口づける。 340 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(5)】 sage 2009/08/12(水) 22 09 59 ID /XwQeyrG 「……はぁぁぁっ……!」 ぴくんと身を震わせ、感極まった声を上げる葉月。 太地は愛する妹の肌から唇を離し、もう一人の愛する妹の乳頭へキス。 「待たせてごめんよ、奈月……」 「……はぁぅっ、おにぃ……ちゃん……」 震える声で歓喜を示す奈月。 葉月も奈月も、太地にとって心から愛する存在だ。どちらが上、下ということはない。 それは双子同士における、お互いへの感情でも同様のようだった。 葉月は奈月を、奈月は葉月を、それぞれ自分自身に等しい存在として尊重し合っている。 ――なのに。 彼ら双子と、ふたりにとって姉に当たる美月との関係は、どうして壊れきっているのか……? 「……はうぅっ!?」 二本の人指し指で尻穴をくすぐられ、太地は悲鳴を上げた。 葉月が眉根を寄せて怒ったように、奈月は眉の端を困惑気味に下げつつ、 「お兄ちゃん、いま心が葉月たちと一緒になかったよ?」「……奈月たちと一緒になかったよ?」 「そっ……そんなことないよ、ただ、可愛いオッパイにキスしてたらドキドキしちゃって……」 苦笑いで誤魔化そうとする太地に、双子の妖精は今度は揃って口をとがらせ、 「嘘ついてもわかるよ、葉月たちには」「……奈月たちには」 「うぅっ……、ごめん……」 「悪いお兄ちゃんには罰だよ、お尻から搾り出しちゃうからね」「……からね」 「あ……、待って……!」 太地は懇願したが、妖精たちは悪戯好きの本性を現したように、くすっと笑って声を揃え、 「「ダダ・・メメ!!」」 「うぅ……赦してくれよ……、それをされると声を上げすぎて喉が枯れちゃうから……」 情けなさに涙が出そうになる。 妹たちに尻穴を責められて逝かされるのは、男として兄として、あまりにみじめだ。 「感じすぎちゃうならいいことだよ。お兄ちゃんには枯れるまで精液を出しきってもらうよ」「……もらうよ」 双子はそれぞれロンググローブをはめた人差し指を舐めた。 「さあ、お兄ちゃん、お股を広げて。それとも金縛りの魔法で無理やり広げる?」「……広げる?」 「うぅぅ……わ、わかったよ……」 太地は渋々と、自ら両膝を抱えて脚をM字型に広げた。 男性器も尻穴も妹たちの前に晒す、男として兄として屈辱極まりないポーズ。 だが、魔法少女である妹たちの言うことに従わなければ、金縛りの術をかけられてしまう。 そうなれば一切の抵抗を封じられた状態で、もっとみじめな仕打ちを受けることになるだろう。 「いい子だね、お兄ちゃん。すぐに気持ちよくさせてあげるからね」「……からね」 双子は人差し指を重ね合わせ、太地の尻穴へ突きつけた。 「ひぃっ……!」 顔を歪めて苦鳴を上げる太地に、妖精たちは、くすくす笑って、 「美月お姉ちゃんに苛められて、お尻は指を何本も呑み込めるようになってるでしょう?」「……でしょう?」 「無理やりされたんだよ! まさか葉月と奈月までお兄ちゃんを苛めたりしないだろう!?」 「苛めじゃないよ愛撫だよ、葉月たちのはね」「……奈月たちのはね」 尻に力を入れて括約筋を締めようと足掻いたものの、これまで何度もほぐされてきた肛門の抵抗は続かない。 ぬぷりと、二本重ねた指先が潜り込んできた。 「ぐぅっ……!」 太地は、ぎゅっと眼をつむる。 341 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(6)】 sage 2009/08/12(水) 22 10 54 ID /XwQeyrG 唇も引き結び、声を上げるのをこらえようとするが、妖精たちが空いている手で左右から乳首に触れてきて、 「ああうっ……!?」 たまらず太地は喘いだ。 「だっ、だめだよっ……葉月っ、奈月っ! あああああっ……!」 妖精たちは、さらに兄の乳首に口づけながら、尻穴の中では腸壁をくすぐるように指を曲げ伸ばす。 「お兄ちゃんは葉月たちだけのお兄ちゃんだよ?」「……奈月たちだけのお兄ちゃんだよ?」 「あぁぁ……うぅぅ……」 つむった眼の端に涙を浮かべて太地は身悶える。 尻穴を責める指の動きはピストン運動に変わった。最初はゆっくり、次第に早く―― しかも絶妙の角度に曲げた指の腹は、腸腔に接した男性特有の性感帯――前立腺を確実に刺激している。 「あああっ!? だめっ、葉月っ、奈月っ……そんな激しくっ……!?」 「イッていいよ、お兄ちゃん。何度でもイかせてあげるから」「……あげるから」 「葉月……奈月っ! ああああああああっ!?」 びくんっと、太地のペニスが大きく震えて。 ――びゅっ! びゅっびゅっ……! 再び精が迸り、双子の妖精の美裸身を汚した。 「あぁぁぁぁぁ……!」 太地は、大きく息を吐く。また妹たちに射精させられてしまった…… 罪悪感で、眼の前が暗くなる。 そのとき―― かちゃり、と、音を立て、リビングのドアが開いた。 びくりっ、と、大きく太地は身を震わせた。 葉月と奈月も、はっとして戸口を振り返る。 美月が立っていた。 赤みを帯びたツーテールの髪。リボンは黒のレース。 夏物の半袖セーラー服の胸を押し上げる豊かな胸は、妹たちとの二歳差以上のアドバンテージを示している。 通学鞄を提げた左手には『バブリィメロン』の腕時計。 そして――凍りついた表情の兄や妹たちとは対照的な、輝くような笑顔。 その笑顔のまま、しかし細めた眼の奥から射るような視線を妹たちに向け、美月は吐き捨てた。 「……豚がサカってんじゃないわよ」 「……美月お姉ちゃん……」「……ちゃん……」 葉月と奈月は顔をこわばらせながら、しかし姉から視線を逸らさないまま立ち上がる。 太地は喉の奥から震える声を絞り出して、ようやく言った。 「……お、おかえり美月……ずいぶん、早かったじゃないか……」 「…………」 美月は、ぎぎぃっと音を立てそうな、からくり人形じみた動きで太地に顔を向け、 「ただいまっ、お兄ちゃん♪ 早くお兄ちゃんに会いたくて、魔法でひとっ飛びで帰って来たんだよ♪」 小首をかしげ、にっこりとしてみせる。 「夏休みの補習なんて最悪だよね? 教師どもを『GYAKU★SATSU』しなかった美月の自制心を褒めて褒めて♪」 そう言っている美月の眼は、相変わらず笑っていないのだが。 太地は、ぎこちない作り笑いを返し、 「そ、そっか……でも、外で魔法を使うのは母さんに禁止されてるんじゃ……」 「……家の中なら魔法は使い放題ってことかしら、そっちの泥棒豚みたいに?」 ぎろり、と、美月の視線が再び妹たちに向いた。 葉月と奈月は蒼ざめた顔で、しかし気丈に姉を睨み返す。 342 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(7)】 sage 2009/08/12(水) 22 12 08 ID /XwQeyrG 慌てて太地はソファから立ち上がり、 「……あ、やっ、やめろよ美月も! 葉月も奈月も……!」 妹たちの間に割って入ろうとしたが、葉月と奈月に手で制せられた。 「お兄ちゃんは下がっていて」「……いて」 双子姉妹は美月から視線を逸らさないまま、挑戦状を叩きつけるように、きっぱりと言った。 「きょうこそお姉ちゃんの好きにはさせないよ。《エレクトプリズム》は守り抜くよ」「……抜くよ」 「豚はブーとだけ鳴いてろや」 美月は笑顔のままに吐き捨てた。そして腕時計を顔の前にかざし、叫ぶ。 「エレクチオン・プリズム・パワー!」 腕時計が眩く白い光を放ち、 「バインド・アップ!」 次のかけ声とともに、光が美月の全身を包み込み、太地はたまらず眼を逸らす。 「……わあっ!?」 やがて光が和らぐと―― 鋭角なハイレッグを尻と股間に喰い込ませ、豊満な乳房は惜しげもなく晒した紅いレザーのボンデージ姿。 手には黒革の九尾鞭を携えた、魔法少女というより悪の魔女さながらに変身した美月が、そこに立っていた。 そして、お約束の口上は―― 夜空に輝く月は一つ、 兄照らす月も一つきり。 その月、雲に翳りし時、 真実(まこと)の恐怖の幕が開く。 雲の上の月こそ狂おしく輝く! 会敵瞬殺! ヴァニシング★ルナ、見参ッ! 「……あぁぁぁっ、やめろっよ、やめてくれよ三人ともっ……!」 太地は再び妹たちの間に割って入ろうとした。 魔法など使えない、妹たちに身体を弄ばれてばかりの情けない兄である。 しかし兄である以上、妹同士が争うのを止める責任があるのだ。 ましてや、争いの原因が自分にあるとすれば…… 「……《ホールド・イノセンス》!」 葉月が兄に向かって右手を差し伸ばし、そこから白い光が放たれ、太地を包み込んだ。 正確にいえば、太地の腰回りを、だ。 「……わっ!?」 太地は声を上げたが、苦痛や衝撃はない。 「……葉月!?」 双子の片割れである奈月にも、葉月の行動は予想外だったようだ。 美月も笑みを引っ込め、訝しげに眼を眇(すが)める。 やがて、光が和らぐと―― 太地の腰回りは、白銀色に輝く褌(ふんどし)のようなものに覆われていた。 「わあっ!? なっ、なんだよこれっ……?」 自分の腰を見下ろして慌てている太地に、 「魔法の貞操帯だよ」 葉月が説明した。 「お兄ちゃんの《エレクトプリズム》は、これで守れるよ」 343 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(8)】 sage 2009/08/12(水) 22 13 48 ID /XwQeyrG 「……はッ、はッ、はァァァァァァァァッはッはッはッはッはッ!」 美月が哄笑した。 「なるほどッ、豚にしては利口なところを見せたじゃないのさッ!」 「魔法少女が愛する人と同時に絶頂を迎えたときに生まれる魔力の結晶、それが《エレクトプリズム》」 葉月は美月を見据えて言った。 「それを百粒集めれば、地球生まれの魔法少女でも《月の魔法界》への門(ゲート)を開くことができる」 「ええ、ええ、そうよ。そして、あたしはもう九十九粒集めたわ」 美月は、くっくっと肩を揺らして笑う。 「あンの糞ババア、そんなルールがあるなんて教えないから、最初はお兄ちゃんに随分とムダ撃ちさせたけど」 「美月お姉ちゃんは、お兄ちゃんを苛めて愉しんでるだけだもの。お姉ちゃんのエッチには愛がないもの!」 葉月が言うと、美月は嘲り返した。 「オマンチョでエッチもできないお子様は黙りなさい♪ あたしなんかエッチのたびに中出しだもん♪」 自分の腹を、そこに我が子が宿っているかのように愛おしげに撫でて、 「妊娠しないのが不思議なくらいだわ♪ まあ、子供は《月の魔法界》へ行ってから作ればいいけど♪」 「葉月たちだって、すぐにお兄ちゃんの子供を作れるもん! 魔法少女の成人――十二歳まで半年だもんっ!」 「半年後には、あたしが《月の魔法界》で妊娠六ヶ月よ♪ だって、あと一粒集めればいいんだもん♪」 美月は、ぺろりと舌なめずりした。 「それがどういう意味か、可哀想な仔豚さんたちは、わかってないみたいだけど?」 「その一粒を守り抜けばいいんだよ! 貞操帯の魔法は強力だもん!」 「そんなもの……術をかけた豚が死ねば、自然と解除されるでしょう?」 「「…………!!」」 葉月が言葉を失った。奈月も何も言えず、唇を震わせる。 「なっ……!?」 太地が慌てて、 「なっ、何を言ってるんだよ、美月……!?」 「《月の魔法界》に地球で犯した罪は及ばない。地球で豚を何匹殺そうが、《月の魔法界》では無罪ってこと」 美月は太地に向かって、にっこりと笑ってみせた。 「ちなみに兄と妹の結婚も《月の魔法界》では合法だから安心してね、お兄ちゃん♪」 「そんな……そんな、僕は兄妹で結婚なんてしないぞ!」 太地は叫ぶが、美月は笑顔で首を振り、 「《月》では魔力のない人間に拒否権はないんだよ。あたしが結婚すると決めれば、結婚は成立するの♪」 「そんなことさせない! お兄ちゃんはどこにも行かせない!」 葉月が叫んだ。 「たとえ結婚できなくたって……お兄ちゃんと葉月たちは、この地球で幸せになるんだから!」 「あっそ。じゃあ、逝(い)ね」 美月が九尾鞭を握った手を無造作に振るった。 「――《ギニィ・ピッグ》!」 途端。 どす黒く、禍々しい霧のようなものが現れ、たちまち葉月を呑み込んだ。 「……葉月!?」 奈月が悲鳴を上げる。 「あっ、ぐぁっ……ぐむォォォォォォォォォッ!?」 葉月の愛らしい声が、姿かたちが、たちまちおぞましいものに変質した。 口は裂け、鼻は大きく膨らむとともに先端が潰れ、頭も膨張する一方、手足は縮こまっていく。 それは、美月が何度も彼女をそう呼んだモノの姿――すなわち、「豚」。 344 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(9)】 sage 2009/08/12(水) 22 15 10 ID /XwQeyrG やがて黒い霧が薄らいだ。 醜い家禽に変わり果てた葉月は、その場にうずくまって身を震わせ、眼から涙を溢れさせた。 「グフェッ、グフェッ、グフェェェェェェ……ッ!」 「葉月ッ……!!」 奈月が双子の姉妹に覆いかぶさるようにして、その姿を兄の眼から隠そうとする。 「お兄ちゃん! 見ないであげて!」 「そいつは、ただの魔法なんかじゃないわ。《呪い》よ!」 美月が勝ち誇ったように言った。 「つまり、あたしを殺したところで元の姿には戻らない。あたしが解除しない限りはね!」 太地に微笑みかけて、 「まっ、ぶち殺してやってもよかったんだけど……お兄ちゃんの見てる前で、それもどうかと思って♪」 「あ……あんまりだよ、こんなっ!! 元に戻してやってくれよっ!!」 太地は喚いたが、美月は笑顔で首を振り、 「殺さなかっただけで大サービスよ♪ 豚が一匹、どうなろうがお兄ちゃんは気にしちゃダメ♪」 「美月っ! お願いだから……!」 太地は両手を合わせ、二歳下の妹の前で膝をついた。 それがどんなに無様で滑稽なことか自分でもわかっている。だが、葉月を助けるために必死なのだ。 すると、にこにこ笑顔のままで美月が言った。 「じゃあね、美月の前で、オナニーして見せて♪ 『美月たん大好き、ハァハァ』って喘ぎながら♪」 「えっ……」 太地の顎が、かくんと落ちた。 「そっ、そんなこと、できるわけ……」 「できない? ああ、そっか貞操帯が邪魔なのね。そんなもの、こうすれば」 美月は九尾鞭を軽く振るった。 「痛ッ……!?」 ぺちんっ、と、鞭が当たった瞬間、太地の腰を覆う魔法の褌が消滅した。 萎えたペニスが露出して、太地は慌てて股間を隠す。 「わあっ……!?」 「そんな……、奈月たちの魔法をあっさり無効化……?」 奈月が愕然として声を上げ、豚に変貌した葉月も哀しげに哭く。 「グムォォォォォ……!」 「いままでは遊び半分で相手してあげてただけよ」 美月は、奈月と葉月に向かって、にっこりと笑ってみせた。 「ママを油断させるためにもね。あたしの魔法の実力を知ったら、ママだって警戒するでしょう?」 「奈月たちでは、最初から勝てなかったの……?」 「勝てるつもりでいたの? 豚の分際で、図々しい」 美月は、くすくすと笑い、 「でも、これで《エレクトプリズム》が揃えば地球とオサラバ。もう、ママにも手出しできない世界へ……」 「――その台詞は敗北フラグよ、美月ちゃん☆」 戸口から声が聞こえて、美月と奈月、豚に変貌した葉月、それに太地は振り向いた。 魔法少女――と呼ぶには年齢に難があるが、ともかく変身した姿の卯月が、そこに立っていた。 メロンサイズの豊乳の谷間を強調する襟ぐりの深い純白のドレス姿。 その裾は際どくも短く、すらりと長い美脚を強調している。 足元は白いブーツ。同じく白のロンググローブをはめた手には、宝石を散りばめた魔法の杖を握っている。 普段はロングの金色の髪は、変身したいまは娘たちと同様のツーテールだ。 345 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(10)】 sage 2009/08/12(水) 22 16 28 ID /XwQeyrG 救いなのは、卯月が(魔法の効力であろうか)見た目は二十代半ばであることだ。 とはいえ、コスプレみたいな魔法少女の姿は、スタイル抜群であるだけにむしろ痛々しい。 救世主として現れた筈の母親に対して、そんな感想を抱いてしまう太地は罰当たりだろうか。 でも、何度見ても実母の魔法少女姿は受け入れがたいのである…… 「……ママッ!?」 美月が愕然として声を上げた。 「し……仕事はどうしたの!?」 「休憩時間に魔法でひとっ飛び☆ 子供たちのピンチを見過ごすわけにいかないものね☆」 卯月は言って、にっこりとする。 「《エレクトプリズム》をあと一粒まで集めた美月ちゃんが、きっと何かやらかすだろうと思ったから☆」 「そ……そっか」 美月は笑顔をひきつらせ、しかしすぐに余裕を取り戻して、にやりと笑った。 「でも遅かったわね。葉月には呪いをかけたあとよ」 「解いて☆」 にっこり笑って卯月が言い、美月は、「……は?」と訊き返す。 「あたしに命令? ママもわかってるでしょ、あたしの魔法の実力」 「そうね。正面からガチでやり合ったら、ママも勝てるかどうかわからない」 「でしょ? だったら、あたしに命令なんて筋違い……」 「でも解いてあげて、葉月ちゃんにかけた呪い☆」 「今度はお願いのつもり? 態度がなってないわね。このあたしにモノを頼むなら……」 「解いてくれなきゃ、お兄ちゃんを呪っちゃうわよ? えいっ☆」 卯月が杖を振り、そこから飛んだ光の球が太地を撃った。 「……わあっ!?」 太地が尻もちをつき、 「……お兄ちゃんっ!?」「……グムォッ!?」 奈月と、豚に変貌した葉月が声を上げる。 「「……うそ……?」」 美月と、我が身を見下ろす太地も声を揃えた。 太地は葉月と――あるいは奈月とそっくりな姿に変身させられていた。しかも裸のままである。 彼自身には見えていないが、髪のリボンは水色だ。 「……わああああっ!?」 慌てて太地は、胸と股間を隠した。女の――しかも幼い妹の裸身なんて、いまの状況では眼の毒でしかない。 美月が母親を睨みつけて喚いた。 「なッ……何のつもりよッ、糞ババアッ!?」 「ババアとは失礼だわ。十七歳と七十二ヶ月のママに向かって」 卯月は、くすくす笑って、 「だから《呪い》よ。誰かさんが《エレクトプリズム》を手に入れられないようにするための」 「……ママ、十七歳に七十二ヶ月を足しても計算が合わないけど……」 奈月がぽつりと言ったのは皆、聞き流す。 太地が、はっと気づいたように、 「そ……そうか! 僕が女になれば、美月に《エレクトプリズム》を奪われることはない!」 「女になっただけでは意味ないんだけどね。女同士でも愛さえあれば《エレクトプリズム》は生まれるから」 「えっ!? それじゃ、いったい……」 「葉月ちゃんたちの姿ということに意味があるのよ」 卯月は言って、にっこりとした。 346 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(11)】 sage 2009/08/12(水) 22 17 58 ID /XwQeyrG 「美月ちゃんが心底憎んでいる妹の姿。中身はお兄ちゃんだとわかっても、愛することができるかしら?」 「元にッ……元に戻してッ!! お兄ちゃんをお兄ちゃんの姿にッ!!」 喚く美月に、卯月は鷹揚な笑みで答えて言った。 「それはこっちの台詞よ。葉月ちゃんを元の姿に戻してあげなさい」 「そっちが先よッ!!」 「じゃ、交渉決裂ね。葉月ちゃんは呪いの上書きで人間の姿に戻すし、お兄ちゃんは可愛いお兄ちゃんのまま」 「呪いの上書きッ!? そんなことがッ……!?」 「《月の魔法界》に伝わる秘術があるのよ。ちょっぴり手間がかかるけど」 卯月は、にっこりとしてみせる。 「美月ちゃんの魔力は相当なものだけど経験不足。ママに喧嘩を売るのは三年と七十二ヶ月早いわ」 「ギィィィィィィィィッ!!」 美月は九尾鞭に噛みついて地団駄踏んだ。 「糞ババアッ!! 舐めやがってッ!!」 「舐めてないからガチでは喧嘩しないで知恵を使ったんじゃない?」 卯月は、くすくすと笑う。 「さあ、わかったら葉月ちゃんを元の姿に戻しなさい」 「そしたらお兄ちゃんも元に戻すのッ!?」 「ええ。いまの可愛い姿でもママは困らないけど、お兄ちゃんはいろいろ不便でしょうから」 「……不便というか、その……」 妖精のような美幼女の姿になった太地は、胸と股間を隠したまま真っ赤な顔で、 「……困るよ……」 「お兄ちゃんが元に戻ったらッ、《エレクトプリズム》は貰うわよッ!」 喚く美月に、奈月が呆れて、 「往生際が悪いよ、美月お姉ちゃん……」 「美月ちゃんの好きにするといいわ」 しかし、あっさりと卯月が言って、太地と奈月、それに豚に変貌した葉月は愕然とした。 「なっ……!?」「ママ、なんで……!?」「グムォッ……!?」 「仕方ないでしょ。娘とガチで喧嘩して共倒れなんて、ママ、嫌だもの」 卯月は言って、肩をすくめてみせる。 「ママはもう、ママひとりの身体じゃないし」 「えっ……それって、ママ……?」 訊き返す奈月に、卯月は頷いて、 「葉月ちゃんと奈月ちゃんに弟ができるの。しかも双子よ、きのう検査を受けてわかったわ」 「奈月たちの弟……?」 「ええ、そう」 「生まれたら、お風呂に入れてあげていい?」 「ええ、お願いするわ」 「ミルクを飲ませてあげていい?」 「ええ」 「幼稚園に通うようになったら送り迎えしてあげても?」 「もちろんいいわ」 「小学校の授業参観も奈月たちが出てもいい?」 「構わないわよ」 「悪い虫がつかないように、幼稚園から私立の男子校に通わせても? 奈月たちがお受験の特訓するから」 「いいわよ。学費の心配はいらないわ。ママがしっかり稼ぐから」 347 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(12)】 sage 2009/08/12(水) 22 24 50 ID /XwQeyrG 「弟たちが大きくなっても、ずっと一緒にお風呂に入っても? 寝るのも一緒のベッドでもいい?」 「そんなの嫌だなんて言われないように、ちゃんと自分たちで躾けてね」 「弟たちが、もっと大きくなったら、奈月たちのお婿さんにしてもいい……?」 「そのときは《月の魔法界》で結婚式を挙げましょうね」 卯月は言って、にっこりとした。 「だから、太地お兄ちゃんのことは美月ちゃんに任せなさい」 「…………、うん……」 こくりと奈月が頷いて、太地は愕然とした。 「ええええええっ!? 母さんっ、なに言ってんだよっ!?」 「仕方ないでしょ。家族みんなが幸せになるには、これが一番なんだから」 卯月は、にこにこしながら言う。 「それとも、おなかに赤ちゃんのいるママを美月ちゃんとガチで喧嘩させようっての?」 「僕はどうなるんだよっ!? 美月に無理やりエレクト何とかを奪われて、《月》に連れて行かれるんだっ!!」 「でも気持ちいい思いはしてるんでしょ? だから《エレクトプリズム》も生まれるんだもの」 「気持ちいいって……無理やりだよっ!! しかも実の妹にっ!!」 「あのね、太地」 卯月は穏やかな笑顔で息子に言い聞かせた。 「無理やりも糞も妹全員とヤりまくってブッかけまくったんだろ? 一人くらいは責任とっとけや、バカ息子」 「ばっ……バカって僕は……!!」 「妹に無理やりエッチされるのが嫌ならチンポ切り落とすなり頸くくるなりケジメつけろやッ、おおッ!?」 あくまで笑顔のままで卯月は凄む。 「毎晩、妹相手に抜いて次の日の朝は何食わぬ顔でパパとママにオハヨウゴザイマス? 舐めんな糞ガキッ!! イカ臭ぇパンツを洗濯機に放り込んどいて何もバレてねぇと思ってんのかッ!?」 「イカってそれは、僕の意志じゃなくて、だから無理やり……!!」 「もういい。いまからテメェを男の姿に戻す。男に戻してその腐れチンポぶった斬る!」 卯月は魔法の杖を振り上げた。笑顔のままだが眼は笑っていない。 太地は足がすくんで逃げることができない。 すでにまだ見ぬ弟へ心変わりしている奈月と葉月(豚の姿)は動こうとしない。 太地をかばったのは美月だった。卯月と太地の間に割って入って、叫んだ。 「やッ……やめてよママッ! お兄ちゃんには、あたしが責任をとらせるからッ!!」 「あんた、それでいいの? さんざんいい思いしといて、いざとなれば実の妹は嫌だとかほざくヘタレ兄貴だ」 「それでも……それでも、あたしはお兄ちゃんが好きだもん! 愛してるんだもん!」 「腐れチンポ息子はッ!? 太地ッ、あんたはどうするんだッ!?」 「ぼ……僕はっ……!」 「お兄ちゃん、あたしを選んで! あたしと一緒に《月》で幸せになろう……ね?」 美月が太地を振り返り、潤んだ瞳で微笑みかけてくる。 兄を愛するあまりに暴走することもある美月だが、それでも兄への愛は本物なのだ。 太地は、ためらいながら……しかし、こくりと頷いた。 「う……、うん……」 世間の常識的にはここで頷いてしまうほうがヘタレなのだが、この家族に常識は通用しない。 「……決まり、ね」 卯月は魔法の杖を下ろした。そして笑顔はそのままで、ころっと元通りの口調になって、 「じゃあ、美月ちゃん。まずは葉月ちゃんを元の姿に戻してくれる?」 「あ、うん……」 美月は頷くと、九尾鞭を振り上げ、ばしんっと地面に叩きつけた。 348 【魔法の妹ヴァニシング☆ルナ(13)】 sage 2009/08/12(水) 22 27 30 ID /XwQeyrG すると、豚に変貌した葉月の全身から黒い霧が立ち上り、再びその姿が変化を始める。 元通りの愛らしい妖精の姿へ―― 「……葉月!」 元の姿に戻った葉月に、奈月が抱きついた。 「奈月たちに弟ができるんだよ!」 「うん、うん! 聞いてたよ、奈月!」 葉月は笑顔で奈月と抱き合い、ぴょんぴょんと二人で飛び跳ねる。 「弟だよ弟! 葉月たちに……!」「……奈月たちに……!」「「可愛い弟ができるんだ!!」」 その様子を見た卯月は、満足そうに頷いて、 「葉月ちゃんたちは、これでよし、と。あとは美月ちゃん」 美月に視線を戻し、 「お兄ちゃんとの《エレクトプリズム》の最後の一粒、しっかり手に入れるのよ。結婚式にはママも呼んでね」 「うん……ありがとう、ママ」 美月は笑顔で頷き、そして頭を下げた。 「その……酷いこと言って、ごめんなさい」 「いいわよ。だってママ、まだ十七歳と七十二ヶ月よ? まだ全然、年齢のことなんて気にしてない」 「いやその七十二ヶ月って言い方自体がすでに気にしていやなんでもないですゴメンナサイ」 美月は頭を下げておく。卯月の細めた眼から笑いの気配が消えたから。 卯月は魔法の杖を太地に向けた。 「それじゃ、お兄ちゃんを元に戻すわ」 杖から光の球が飛んで太地を撃つ。太地は元通りの姿に戻った。 裸で靴下だけ履いているところまで元のままだ。 自分の姿におかしなところがないか、きょろきょろと見回して――はっと気づいて、股間を隠す。 「わあっ!?」 母親と美月がそばにいることを思い出したのだ。 葉月と奈月もいるけど、二人はすでに兄のことなど気にしていない。 卯月は、くすくすと笑って、 「そんなに慌てて隠さなくても、ママは息子の裸なんて興味ないわよ」 「ママはパパ一筋だもんね? これでまた双子が生まれたら、六人の子持ち?」 美月が言って、卯月は笑って頷く。 「子供は天からの授かりもの、夫婦の愛の結晶よ。子だくさんで悪いことなんてないわ」 「美月もママみたいにいっぱい、子供を作りたい」 「作ればいいじゃない。お兄ちゃんに頑張ってもらって」 「……兄妹でそれは問題だとわ誰も思わないんですかそうですか……」 太地が呟くと、卯月は笑顔のまま小首をかしげ、 「何が問題なの? ママは《月の魔法界》から来た魔法少女、お兄ちゃんと美月ちゃんはその子供よ?」 「……はいすいません愚問でした《月》では兄妹で結婚できるんですよねそうでしたよね……」 「わかっていればいいの」 卯月は、にっこりとした。 「それじゃ、ママは仕事に戻るわ。葉月ちゃんと奈月ちゃんも連れて行くから、美月ちゃんは……」 「うん。お兄ちゃんと一緒に《エレクトプリズム》を……」 「《月の魔法界》へ行っても元気でね。何度も言うけど、結婚式には、ちゃんと呼んでね?」 そして卯月は、葉月と奈月を伴って出かけて行った。 太地が地球の空を見るのは、この日が最後になった。 【終わり】